グアム当局配布の核攻撃対処要領に学ぶ

Guam fact-sheet.jpg11日、グアム島の民間防衛当局(GHS:Guam Homeland Security )が、北朝鮮による核ミサイル攻撃に備え16万住民に周知したい「緊急事態に備えた対処要領:Fact Sheet In Case of Emergency」をまとめた2ページの配布物を公開しました
事前準備、その時の対処、屋外にいた場合、重要ポイント、学校と子供について、で構成される配布物は、非常にわかりやすくコンパクトに核兵器対処の基本をまとめ、決してひるむことなく「完全でなくても、できることをやるほうがはるかに良い」との姿勢を求めており、その内容に感心させられました
また「人間の5感で察知することができない放射性物質」の性質と対処法を、短節かつ実用的に表現しており、大いに参考になると考え、11日午後に行われた Eddie Calvoグアム知事の住民向けTV演説映像と合わせて概要をご紹介します
Calvoグアム知事の住民向けTV演説(約2分半)

「緊急事態に備えた対処要領:Fact Sheet」の概要
事前準備
家族それぞれで対処プランを話し合い緊急避難できる建物をリストアップしておく
放射性物質が室内に入り込まないように、ビニールシートやテープで玄関やドアを目張りする出来るような準備を
その時の対処
●公的な情報に注意し、警報が出たら素早く身を隠すコンプリートや建物の地下等に避難し、放射性物質から隔離せよ
家族と離れていても、まず近くの避難場所に入って自分の身を守れ
避難したら24時間はその場で待機すること予期せよ。そして情報に耳を傾けよ
屋外にいた場合
nuclear bomb.jpg爆発や旋光から目をそむけよ。失明する恐れがある。その場に伏せ、頭を守れ。身を少しでも隠すものがあれば利用せよ
●爆発地点から離れていても、風等により放射性物質がやってくるから素早く室内の避難場所に入れ。ポイントは距離の確保、密閉した場所確保、時間の経過を待て・・である。
放射性物資地を浴びたら素早く除去せよ。もっとも上の衣類を脱ぐだけで9割の物質から逃れられる。脱いだ衣類は袋に入れ、人間から離れた場所に置け
可能なら石鹸と多量の水でシャワーを浴びろ。その際、皮膚をひっかいて傷つけたりするな。シャンプーは良いがコンディショナーは物質を髪に定着させるので使うな
●シャワーが使用できなければ、濡れた布で体を拭け。衣服でおおわれていなかった部分を念入りに。鼻や目や耳にも注意し、濡れた布でふくこと。
●公共機関からの情報に注意せよ。指定された汚染地域に近づくな。放射性物質は人間の知覚で察知できない
覚えておくべきこと
Guam fact-sheet2.jpg放射性物質から、距離をとればとるほど、影響は少なくなる。平らな建物の屋根は同物質を集めるので、屋根近くのフロアーは避けよ。屋根に近い部屋も避けよ
●放射性物質の影響を避けるには、分厚いコンクリートや壁、書籍、地面が有効。ドアや窓をビニールシートで覆い、外部の物質を室内に入れないように措置せよ
時間経過とともに放射性物質の影響は急激に減衰する。2週間経過すれば当初の1%にまで減衰する。
どのような防御対策であっても、それがたとえ一時的なものであっても、何もしないよりははるかに効果がある少しでも距離を取り、シールドし、時間を稼げばより良い効果が得られる
子供と学校関連
教師や保育士は関連情報を集め、しっかり準備せよ。その時は落ち着いて行動せよ
学校や公共機関の建物は安全が継続的に確認されている。学校の建物は安全な場所である
●親は公的な情報に注目し、学校に電話を掛けるな。電話すれば学校の対処を遅らせる
慌てて子供を学校から引き取ろうとするな。指示があるまで待て。引き取り指示があった場合にも、学校に登録していない知り合いに頼むな。
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ご自身で、ご家族と共にご確認を!
よく出来た2ページの住民配布ペーパー(現物)
→https://assets.documentcloud.org/documents/3923203/Missile-Threat.pdf 
Guam Calvo.jpg米国が騒ぐと、1周遅れで日本も騒ぐのが常ですので、今のうちから予習しておきましょう!
それにしても、北朝鮮がグアム島の名を挙げて騒ぎ始めてからわずか数日後、このような素早い対応ができる社会の仕組みに驚きます
素直に学びたいものです。
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