2度目の航行の自由作戦と台湾武器輸出への反発など

米国の独立記念日週間で報道も低調ですが・・・
米中間に波風増幅傾向か
SouthChina-sea2.jpg6月28日に米国務省が台湾への約1700億円の武器輸出を容認すると発表し、翌日には米国政府が北朝鮮に弾道ミサイル関連部品を輸出した中国企業等に制裁を表明して波風が予期される米中関係について、トランプ政権2度目の「航行の自由作戦」など、追加の動きを時系列でご紹介します
オバマ政権の時にはこの様な動きがあったものの、トランプ政権誕生後は「様子見」状態だったモノが、再び動き始めた印象です。
しかし中国による南シナ海の人工島埋め立て建設や軍事装備配置は着々と進められており、米国だけが足踏みしている状況でしたので、事態は更に悪化しています。
日本では東京都議選というローカルな話題で盛り上がっていますが、中国は北朝鮮問題で世界が盛り上がっている間に、着々と既成事実を積み上げています
時系列で最近の米国と中国のやりとり事象を
5月25日
昨年10月から中断していた「航行の自由作戦」をミサイル巡洋艦「USS Dewey」で再開し、「Mischief Reef」沖を航行
6月28日
中国海軍が最新の大型駆逐艦「Type 055」を披露(進水)。西側関係者の分析によれば、その規模や能力が米海軍のアーレイバーク級ミサイル駆逐艦(イージス艦)そっくり
6月28日~29日
Harris3.jpg米国務省が台湾への約1600億円の武器輸出を容認すると発表、
28日ハリス太平洋軍司令官は、豪州との史上最大の演習中にブリスベーンで、「偽物の島を真実の人間は信じない:Fake islands should not be believed by real people」、「中国は軍事力及び経済力を用い、ルールに沿った国際秩序を浸食している」と訴えた
6月30日
●米国政府が北朝鮮に弾道ミサイル関連部品を輸出した中国企業等に制裁を表明
●この台湾への武器輸出承認に対し中国外務省報道官は、米国の「一つの中国政策」を堅持するとの言葉に反し、中国の核心的利益に反するモノであり、「誰も中国の主権と領土を保持する決意に水を差すことは出来ず、中国は如何なる国内問題に対する海外からの干渉にも反対する」と米国を批判した
●CSISの海洋監視チームは、「Mischief」「Fiery Cross」「Subi Reefs in the Spratly」に、レーダー施設を含む新たな軍事施設の設置を衛星写真で確認
(米国関係者は、中国が南シナ海の人工島などに高性能地対空ミサイルSAMを配備する事を懸念している。昨年12月に中国が海南島に射程距離が250マイルのSA-21ミサイルを訓練で持ち込んだことが確認されており、現時点では中国本土に戻っているが、人工島に配備されル可能性が懸念されている)
6月30日~7月1日
習近平.jpg香港返還20周年記念で習近平が香港を訪問。3000名の兵士を前に閲兵式を30日実施。力を誇示
●1日の20周年記念式典では、一国二制度の成功を自己自賛し、民主化を認めぬ中国政府に失望した若者の間で台頭する香港独立の動きにも言及しつつ、香港政府が「有効な打撃を与えた」として対応をたたえた
空母遼寧を香港に派遣すると発表。7日に香港に寄港し、8~9日には香港市民に遼寧の内部などが公開される予定
7月2日
USS Dewey.jpg●Fox News報道によれば、2日にトランプ政権2回目の航行の自由作戦として、駆逐艦USS Stethemが、「Paracel Islands」の「Triton Island」の12マイル以内を航行した。同等周辺での作戦は昨年10月以来
ただし、米側関係者は同作戦の遂行を発表しておらず、太平洋軍報道官は「我々は定期的に航行の自由作戦を行っており、今後も継続して実施する」とのみコメントしている
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これだけの事象で取り立てコメントすることもないのですが、中国とは「ディール」も出来ない雰囲気を感じ始めた米国内に静かに変化が起こりつつある様も気がします
まぁ・・・テレビを付ければグダグダの報道ばかりで、加えてこの猛暑ですから、トニックシャンプー(表現が古い!)のような役割をこの記事が少しは果たせれば・・・と思います。
最近の中国と米国の動き
「米国が台湾武器輸出&中国企業制裁示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-30
「アジア安全保障会議直前の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3

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