マティス長官は対中国を日本でどう語ったか?

Japan.jpg3日から4日にかけ、マティス国防長官が来日し、安倍総理、管官房長官、岸田外務大臣、そして稲田防衛大臣とそれぞれ会談しました。
尖閣への「日米安保条約第5条」の適応再確認や、在日米軍経費に関する件は議題にならなかった等が日本のメディアで盛んに報じられていますが、やはり日本の安全保障を懸念するまんぐーすとしては、マティス長官の対中国発言に注目したいと思います
それと、長官が儀仗隊をほめてくれた事と、稲田大臣は何歳に見えたんだろうの「謎」ついても、マティス長官の来日に関する4日付米国防省web公開記録で触れたいと思います
本当は「箸休め第3弾」にしたかったのですが、この対中国発言からは、当面「放置プレー」が継続される事が伺え、箸休めしてられない印象を受けました・・
儀仗隊評価と謎?稲田大臣何歳に見えた・・・
(4日公式会談のマティス長官冒頭発言より)
20170204b.jpg●稲田大臣の温かな歓迎に感謝致します。また、昨夜はディナーにご招待頂き、とても率直にフランクに、そしてなおかつ、安全保障情勢について活発な意見交換が出来たことに感謝致します
●私が日本で自衛隊の皆さんと初めて接したのは、私がまだ少尉だった1972年の事です。恐らく、稲田大臣がお生まれになるずっと以前のことだと思うのですが・・・。
(ちなみに、稲田大臣は1959年2月生まれの57歳です)
●そして今回、もう一度日本の部隊の前に立つことが出来て嬉しかったです。今朝の「儀仗」は切れ切れで素晴らしかった(they looked very sharp, very impressive)。セレモニーに感謝します
中国に対する姿勢を問われ
(4日の共同記者会見でマティス長官は)
質問1:NHKの中村氏中国は東や南シナ海で海洋進出を強めているが、どのように対応するか?」
マティス長官
●日米同盟は揺るぎなく、より強固になってきている。これは韓国も含めてであり、この同盟に代わるモノはない
●我々は変化する地域情勢に対応していかなければならない。共に協力して足並みを揃えて対処していく。そして現時点では、特に中国との関係に於いて、アジア太平洋地域で安定を維持する事が出来ないような事象(理由)はない
質問2:Financial Times記者「中国の南シナ海での活動を抑制する行動を米国はほとんど行っていないが、より強い政策を採るべきでないか?何を行うべきと考えるか?」
20170204c.jpgマティス長官
●南シナ海の様子を見ていて、中国は地域の信頼を台無しにしていると思う。周辺諸国の外交、安保、経済主権に対する拒否権を行使しているようなものだ
ルールに基づく国際秩序の観点からすれば、係争があれば交渉を行うのが我々のやり方だ。我々は土地の領有に関し、誰に属するか、公海なのかについて、軍事的手段に訴えたり、占有したりしない
●我々がやるべきは、外向的手段など全ての努力により適切に解決し、通商ルートを公に開放し続ける事である。我々の軍事力はこの外向的な手段を補強するモノであるべきだ
●しかし現時点では、軍事的な行動やそれに類似する動きは全く必要ない外向的手段で最も適切に解決しうる課題だからである
●同時に、航海の自由は絶対的なモノであり、商船であろうと米海軍艦艇であろうとも、我々は公海上での航行を(ルールに則って今後も)行っていく
●であるので、現時点では、大きな軍事的動きが必要だとは全く考えていない
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20170204d.jpg1972年生まれだとしても「45歳」ですし、マティス長官から見て稲田大臣は「30代半ば」くらいに見えたのかも知れませんねぇ・・・
最近、日本の週刊誌やネット上では「垢抜けない稲田大臣のファッション」とか、国会答弁で涙ぐんだ・・・とかの話題が多いですが、大丈夫です! 稲田大臣!お若いしお綺麗ですよ!
儀仗隊への評価は嬉しいですね! 流石は元将軍! 目の付け所が違います。302保安中隊に最敬礼です!
本題の対中国発言ですが、解釈しますと、「対ISISが大統領の最優先事項であり、当面そちらに手一杯だから、外向的手段(つまり口先介入)だけでやり過ごすので宜しくね! 東シナ海でも対中国で波風立てないでね」との意味と理解致しました。
尖閣での「施政権」を死守する覚悟があるなら、「安保条約第5条」は有効だけれど、決して波風は立てるなよ!・・・と釘を刺された感ありです。
安倍総理まで加わった3日夜の夕食会の様子が気になりますが、「Jimと呼んでイイかしら?」とのフレーズ・・・稲田大臣はご活用頂けたのでしょうか???
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