2年ぶりに米海兵隊戦闘部隊がアフガンに再派遣へとの報道の中、「負の連鎖」を絵に描いたような・・・
5日、米国務省が2011年5月に米特殊部隊によってパキスタンで殺害されたオサマビンラディンの息子で、20歳代後半と推定されているHamza bin Ladenをブラックリストに載せると明らかにしました
正確に言うと「Specially Designated Global Terrorist」に指定され、米国の統治下にある地域での資産を凍結するという措置です
息子Hamzaは、まだ父Osamaが生きていた10代の時に、父親のようになりたいので訓練してほしいと手紙を書いていたことが明らかになっており、また父Osamaもその思いに答え、爆弾操作等の訓練を受けさせたり、父が潜伏していたパキスタンへの移動を計画していたようです
昨年7月には、Hamzaが米国への復習を表明するビデオ映像が公開されるなど、「負の連鎖」を絵に描いたような状態を招いているようです
5日付Military.com記事によれば
●米財務省の史料によれば、Hamzaは1989年にサウジのジッダで生まれ、13歳の時に父Osamaとは離れ離れになっており、その後、Hamzaはイランで自宅軟禁のような状態になっていた。
●父と離れて約8年が経過した、父が殺害される2年前の2009年7月に手紙で、父と同じ道を進みジハードを追求すると誓っている。これはCIAが翻訳したといわれる言われる内容で、原文は確認していない
●父Osamaもこの息子をアルカイダリーダーの後継者の一人に考えていたようで、父の部下であった人物が父に、パキスタンへの移送ルートを提案していたことが手紙から明らかになっている
●また別の部下が、息子に爆弾の取り扱い訓練を準備し、小銃等の使用訓練も計画していると父に伝え、息子が良い子であると手紙で父に伝えている
●最近では、昨年5月に息子Hamzaが、ジハード組織に対しシリア内での戦いを促し、パレスチナの開放を訴え、8月にはサウジの仲間に向け、サウジ王族支配を転覆するよう促す映像を公開している
●5日の国務省による措置「Specially Designated Global Terrorist」指定で、米国治世下にあるHamzaの資産は凍結されると共に、米国民や米企業はHamzaとのビジネスを禁じられ、世界中にある米国出先機関は目を光らせることになる
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オバマ大統領は就任直後より、アフガンからの米軍撤退を表明していましたが、現場の様子を把握するにつれ撤退を先延ばしせざるを得なくなり、現在も約1万人規模でアフガン軍の訓練支援に当っています。また、昨年初の段階では2017年に5000名規模に縮小する計画だったものの、最近になってオバマ大統領が8500名規模を維持することを決断しています
そんな中、米海兵隊は公式には「何も決定されていない」との立場ですが、米海兵隊の前線部隊指揮官(少将)が自分の部隊が春にアフガンに展開する方向だと発言し、米海兵隊戦闘部隊が2年ぶりにアフガン現場に派遣される方向に向いているようです
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→http://www.military.com/daily-news/2017/01/05/marines-may-return-afghanistan-advisers-spring.html
アフガンに限らず、中東やイスラム過激派の現状は厳しさを増しており、トランプ氏の勢いのよさとは裏腹に、容易な状態ではないようです。
だからロシアとこの部分で何とか手を握って・・・とのアプローチが、手詰まり感を脱却する「起死回生の一撃」となるのか・・・ぼんやり眺めてまいりましょう。
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「オバマが対テロ7原則確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-07
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