6日、8月から空席になっていた在日米軍司令官(兼5空軍司令官)に、輸送機操縦者でアジア勤務経験がなく、海外勤務も統合部署経験もわずか3年間のみのJerry Martinez少将が、中将に昇任して就きました。
なお、米空軍が6日に発表したのみで、勤務場所の横田基地に到着したかも7日時点では不明です。また厳密に言えば、5空軍司令官は、予備役のような「少将」が一時的に職務を行っていたので「完全な空席」ではなかったですが・・・
更に、日本時間の8日朝7時時点では、Jerry Martinez新司令官の米空軍公式公開経歴は「少将」のままで、職務も「米空軍輸送コマンドの作戦部長」のままであり、バタバタの人事であったような印象を与えます
在日米軍問題など複雑な課題を抱えて重要なはず(この認識が間違いかも!)の在日米軍司令官を、8月から2ヶ月間も空席にしたあげく、アジア経験がない人材を送り込む人事には色々な思いがよぎります。
特に前任者であるDolan中将が、輝かしいポストである米空軍司令部の作戦部長にご栄転された直後であるだけに、その落差を感じざるを得ません(Martinez新司令官には大変失礼ですが・・)
Jerry Martinez新司令官の経歴あれこれ
●1986年米空軍士官学校卒業(防衛大学校30期相当か)
●C-17、C-5、C-141輸送機及びKC-135空中給油機のパイロットで4千時間以上の飛行時間
●2010年3月から2011年4月までの間に、アフガンのカブールで治安維持部隊の引き継ぎコマンド副司令官を准将として務めるまでは、一貫して米国内の輸送機及び空中給油機部隊勤務
●上記カブール勤務と、その後、2013年6月から2015年5月まで、オランダのNATO空軍司令部で作戦担当副参謀長を務めた以外は、海外での勤務経験なし
●統合職での勤務は、上記2ヶ国での統合ポスト勤務以外に、2001年6月から2年間、米輸送コマンド作戦センターで、中佐としての輸送システム班長職だけ
●その他は、イリノイ州、カンサス州、オクラホマ州、ワシントン州とワシントンDCで、輸送機や給油機部隊勤務です。
●士官任官後のお勉強歴も、米陸軍指揮幕僚大学、米空軍大学AWC、デュポン社国防省フェロー、統合軍幕僚大学であり、ケネディースクールとかハーバードとかではありません。
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もちろん、2013年8月に少将昇任ですので、優秀な幹部としての処遇がなされていますが、2か月間以上の空席が示すように、それなりの扱いのポストなんでしょう。
または、戦闘機パイロットばかりじゃ組織がダメになるから、多様性を追求しろとホワイトハウスや国防長官から言われているので、これまでの経験に関わらず、将来のために泥臭い仕事が多い在日米軍司令官を経験させるための人事配置なのでしょう・・・
家族構成の記述がありませんが、奥さんが日系やアジア系の可能性もありますが・・・。
いずれにしても、米空軍は早急にJerry Martinez新司令官の経歴webページを更新した方が良いと思います!→やっと更新されました!
Martinez新司令官の経歴
→http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108505/lieutenant-general-jerry-p-martinez.aspx
8月に離任した前任のDolan中将について
「日本が命の恩人」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-21
「次の在日米軍司令官候補」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-19