露国防相が露軍にバルト海での安全指示!?

バルト海ロシア軍に特異な動き
日本周辺での露軍機はどうなのか?
Baltic Sea.jpg2日、ロシアのShoigu国防相がロシア軍に対し、バルト海上空で頻繁する民間航空機やNATO軍機とのニアミスや接触を背景に、安全対策を強化するように指示した模様です。
もちろんロシア軍機の行為が乱暴だったと謝罪したわけではなく西側への批判姿勢も崩していませんが、何かロシア政府やロシア軍内に風向きの変化があるのかもしれません
そう言えば6月29日、同じロシア国防相がバルト海艦隊(有名なバルチック艦隊です)の司令官や複数の高官を一斉に「クビ」にし、指揮監督や部隊運営、更には即応態勢維持訓練などの面で「著しい怠慢行為があった」との理由て綱紀粛正を命じたところです
そして同時に、同艦隊に新たな部隊(1個軍団)を増強して人心を一新する「荒療治」に出ています
ロシア政府やロシア軍に何が起こっているのか・・・。興味深々ですが、とりあえず露国防相などの声明を確認しておきます
2日付Defense-News記事によれば
Shoigu.jpg●ロシア国防省の声明によれば、Sergei Shoigu国防相はロシア軍に対し、「バルト海上空での飛行安全を強化する信頼システム構築」を命じた
●また同時に、NATO側も同様な措置をとるなら、ロシア軍機が航空管制を容易にして衝突防止を図る信号発信機(敵味方および飛行情報識別装置)を必ず「オン」にするよう命ずる考えがあると声明で明らかにした
●バルト海周辺のNATO加盟国は、最近頻発しているロシア軍機による領空侵犯や、信号発信機(敵味方および飛行情報識別装置)をオフにして飛行するロシア機を厳しく非難してきたところ
●また、ロシア軍機が4月にバルト海で米海軍艦艇に対し、攻撃飛行の機動でわずか15mにまで危険な接近を行ったことも問題になったところである
一方でロシア側は、米軍の偵察機活動をスパイ機と呼んで非難し、米側も同様にロシアレーダーに映らないようにして活動していると主張している
1日にプーチン大統領は、NATO軍機が信号発信装置をオフにして飛行する頻度は、ロシア軍機の2倍あると非難し、本件をロシアNATO協議会議で提議すると訴えた
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Scrumble.jpg防衛省の統合幕僚幹部が発表した昨年度のスクランブル対象機の航跡図(左図)によれば、ロシア機は日本周辺でも交通量が極めて多い「航空交通路」を頻繁に横断しています。
日本周辺で威嚇・偵察飛行するロシア軍機が、「衝突防止を図る信号発信機:トランスポンダー」を「オン」にしているのか承知していませんが、「オフ」にして民間機を危険にさらしているのであれば、日本もこれを契機にロシア側に抗議すべきです!
「オフ」なら「オン」にさせるべきです。民間航空会社や国土交通省も、この問題の現状を正しく把握する必要がありましょう。事が起こってからでは遅いのです!
本題に戻り、ロシアに変化でしょうか? 変化の振りでしょうか? 注目です
バルト海とロシア軍
「露軍偵察機が異常接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-22
「露ミニ潜水艦が領海侵犯?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-23
「対露でNATO大編隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-14
対ロシア関連の記事
「7月NATO首脳会議の論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17
「ドイツ軍が1.8万人増強へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-12
「米軍が北欧でも演習強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-29
「欧州を主戦場にサイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「欧州に米陸軍装備の事前集積強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-10
「露軍は鉄の壁arc of steelを構築中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-07
「黒海NATO演習と露軍反応」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-03
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

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