6月までにモスル奪還戦力を確保する

ISIL.jpg先週4月26日から28日にかけ、米国防省高官や米軍幹部から、対ISILに対する作戦強化を巡る発言が相次ぎました。
ライス大統領補佐官が対ISIL作戦ばかりを空軍士官学校で語り、国防長官が次期空軍トップ人選で対ISIL作戦への対応を重視したと伝えられる中ですので、フォローしておきます
モスルとラッカの分断やサイバー戦の強化など、色々な作戦について語っていますので・・・
27日カーター国防長官は
ISIL2.jpg●上院の国防予算関連委員会で証言したカーター国防長官は、6月6日開始のラマダンまでに、南北両方からイラク軍部隊をモスル周辺に集結させたいと語った
●また対ISIL作戦のWarren報道官は、モスルと南部をつなぐルートを遮断し、モスルを孤立させたいとの作戦目的をを会見で明らかにした
カーター長官はまた、モスルとラッカを切り離し、効率的に患部を半分にし、ラッカに兵力を集中してISによるラッカ支配を突き崩したい意向を示した
●同長官は、サイバーコマンドにシリア国内でのISの通信手段を遮断するよう命じていると語った
28日は上院軍事委員会でも
●カーター長官は上院軍事委員会でも、最近サイバーコマンドに対し、同コマンドの初の本格紛争における戦闘行動任務を命じたと明らかにした。
●そして同初作戦がバーチャル世界でのISILの孤立化を図るもので、空爆による孤立化作戦と並行して進めているとも説明した
Dunford.jpg●長官はサイバーコマンドの作戦目的を、ISILの指揮系統を遮断し、資金移動を阻止し、住民の弾圧や監督を防ぎ、外部支持者の獲得を抑えるためのものである説明している
●ダンフォード統合参謀本部議長は、物理的な地上での作戦を補完するもので、特に外部への支持訴えを焦点にISIL孤立化を進めつつあると証言した
●情報担当の副司令官によれば、1年前には毎月1500~2000名がシリアやイラク外から流入していたが、最近では200名程度の流入に止まっており、更にISILを離れる者も増えている模様である
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対ISILの戦いの実相を理解するのは日本からでは難しいのでしょうが、ISILへの流入が減り、脱出者が増えているなら結構なことです
軍事的にも、電子戦機の投入や多国籍攻撃機の増強など、「戦力のピーク」作りが進んでいるようで結構なことです。
でも、米軍事メディアに、アジア太平洋の話題がほとんど登場しなくなって久しい気がします。
対ISIL関連の記事
「ライス補佐官が対IS強調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-19
「次期米空軍トップは対ISで選定か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-14
「対IS作戦強化の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-21

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