ロシア軍がシリアから撤退し始めても油断禁物か?
16日現在:露軍のシリア大規模撤退は未確認
その前に中南米のお話を・・・
10日、米軍南米コマンドのKurt Tidd司令官(海軍大将)がペンタゴンで記者会見し、中米や南米でロシアが活動を戻しつつあり、米国と地域との分断を図っていると訴えました
具体的な中身は不明ですが、地球の反対側でも、ロシアはお盛んなようです!
12日付米空軍協会web記事によれば
●10日、ペンタゴンで記者会見した南米コマンドのKurt Tidd司令官(海軍大将)は、中米と南米でロシアが存在感を示しつつあり、米国が同地域から撤退しつつあると「言いふらしている:narrative」と危機感を訴えた
●同司令官は「かつてソ連が緊密な関係を持っていた国々に再び接近し、価格を武器に兵器市場を開拓している」、「また米国は当地域に関心を持たず、信頼に足るパートナーではないと言いふらしている」と訴えた
●更にTidd司令官は、同地域への影響力競争と米国の影響力減殺のため、ロシア海軍艦艇が中米諸国やカリブ海諸国を訪問し、大型ロシア機が当地域への飛来を増やしていると現状を説明した
●これらロシアの動きに対応するため、Tidd大将や米国の指導層が当地域への関与を続け、「米国の家であり、当地域の安全保障に強い関心を持ち、今後も信頼できるパートナーであり続ける」とのメッセージを伝え続けなければならないと訴えた
16日現在:露軍のシリア大規模撤退は未確認
●16日、対ISIL多国籍軍の報道官(Steve Warren米陸軍大佐)は記者会見で、プーチン大統領が15日から在シリアのロシア軍を撤退させると発表した件に関し、「small handful」なロシア軍機と地上支援要員が帰国したに過ぎないと語った
●14日プーチン大統領は、所要の目的を達成したとして、シリアに展開していたロシア軍機や兵士の撤退を発表していたが、撤退の期限については明確にしなかった
●同報道官は、10機以下の航空機がシリアを離れるのを確認したが、航空攻撃は行っていなかったものの、他の航空機は過去24時間も飛行訓練を行っていたと語った。
●シリア展開中のロシア軍部隊に多少の動きはあり、荷造りしているようにも見えるが、「大規模な撤収の動きは確認できない」と同報道官は述べた。
●また、シリアの反政府部隊への露軍の攻撃も減少傾向にあるが、アサド政権への支援は継続されていると警戒感を示した
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在シリアのロシア軍に関する報道が無くなりましたが、引き続き注意は必要でしょう
中南米の細部事情を承知していませんが、いかにも分かり易い構図です。
しかし、要人の訪問や「口先介入」だけでは、コミットメントの維持を地域諸国に納得させるのは難しいでしょう
今の米国の状況を見ていると、ロシアならずとも悪巧みを考えるでしょうねぇ・・・