カナダ空軍は再びF-35を検討か?

Sajjan Canada.jpg18日、「F-35は購入しない」と選挙戦で訴えて政権を取ったカナダ新政権のHarjit Sajjan国防相がF-35も選択肢の一つ(「Open」)として選定を再度実施する旨を表明しています
カナダは、2010年当時の政権が、1982年から使用しているCF-18の後継機としてF-35購入を一端決定しましたが、会計検査院等から価格見積もりに不備があると指摘され、2012年に同機購入決定が凍結されました
その後、2015年10月の総選挙まで判断が先送りされていましたが、同選挙で「F-35は購入しない」と宣言したJustin Trudeau新首相が率いる政権が誕生したところでした
なおカナダは2010年当時、CF-18の後継として、F-35を65機購入するとの計画を打ち出していました
18日付カナダ紙「The Star」によれば
●Sajjan国防相はオタワで開催された会議で、老朽化したCF-18の後継選定候補にF-35も含まれていることを示唆し、F-35が排除されているとは表現せず、選定過程は「Open」だと語った
●なお、同国防相が仕えるTrudeau新首相は選挙前に、F-35購入を止め、浮いたお金でカナダ海軍に投資すべきと訴えていた
Sajjan Canada3.jpg●「大事なことは、CF-18に代わる戦闘機が必要で有り、カナダのニーズを満たす適当な航空機をはっきりさせることである。これが我々がやらなければならないことだ」と同国防相は語った
●国防相は「現政権は、CF-18の後継機となる適切な戦闘機を獲得するためのプロセスに関与しており、正しい要求をまとめ上げ、どの企業の提案が優れているかを確認することになる」とも表現した
●Sajjan国防相は、実施を約束している「国防レビュー:defence review」に触れ、カナダの軍事力にどんな役割が有り、どんな能力が必要なのかを吟味することになると説明した
●更に同レビューについて、カナダや米国の防衛や国際平和活動など、いくつかの優先事項に変化は無いと述べ、「能力に焦点を当て、人員、装備、訓練のベストミックスを考えなければならず、柔軟で、資源を適切に再配分し、迅速に対応できなければならない」と語った
●また同国防相は、前政権が約束していた国防費の増加は引き継ぐが、資源配分先は異なる事になろうと述べ、更に人員の削減も否定して「むしろどの部分の人員を増強すべきかを議論している」と説明した
●「国防レビュー:defence review」は今年末までに終えるとSajjan大臣は述べた
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「入れ墨有り」のちょっと心配な40代のJustin Trudeau新首相ですが、一応「国防レビュー:defence review」をやりつつ、多方面と様々な調整を行いつつ、自分の色を出していくのでしょう
この国防相の発言が、米国からの圧力で「F-35購入に戻る」ことを示すサインなのか、新政権が独自色を出すための「時間稼ぎ」なのか不明です。
Sajjan Canada2.jpgちなみに、カナダの60数機調達が無くなると、1機価格が「1.2億円」上昇すると米国防省F-35計画室長は発言していました
ところでこの「Harjit Sajjan国防相」ですが退役カナダ陸軍中佐で、ボスニアやアフガン派遣(3回)経験もある45歳の人物です。
経歴によれば、バンクーバー警察にも11年間勤務経験があり、ギャング組織犯罪や麻薬問題の専門家として務めたとか。カナダも奥深い国ですねぇ・・・
「カナダにF-35反対首相」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-22
「Harjit Sajjan国防相」経歴→http://pm.gc.ca/eng/minister/honourable-harjit-singh-sajjan

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