ちょっと残念な米空軍人事の噂・・・
8日付Defense-Newsは、女性で初めての太平洋空軍司令官に就任し、次の空軍参謀総長のダントツ筆頭候補といわれていたLori Robinson空軍大将が、やはり経験不足から北米コマンド司令官に就任するのではとの観測記事を掲載しています
仮に北米コマンド司令官に就任しても、大統領直属の初の女性地域コマンド司令官となることになるRobinson大将ですが、WSJ紙等も国防省内の噂としてこの方向だと報じているようです
なにせ、2013年5月に中将に昇進(ACC副司令官)後、早くも2014年10月には大将に昇進(現太平洋空軍司令官)する「スーパー超特急昇任」のRobinson大将ですので、その能力や人物に関する評価は高くても、少し早すぎとの議論が在るのは当然といえば当然です
戦闘機パイロットでない女性が米空軍トップに就任したなら、それこそ世界の空軍の変化を象徴する大事件だったはずなのでがっかりげっそりですが、ここは気を取り直し、次期空軍トップ候補者の「噂話」をご紹介します
8日付Defense-News記事によれば
●Robinson大将が北米コマンド司令官になれば、今年後半に予期されるウェルシュ空軍参謀総長の後任レースからは外れることになる。
●James空軍長官が強く押し、カーター国防長官の前例に囚われない人事方針からしても、同大将の空軍トップ就任は、米空軍の内外で硬いものと考えられていたが、ここに来て経験が十分かどうかが問われているようだ
●この結果、次の空軍参謀長候補は3人だといわれている。
●まず、黒人の輸送機操縦者(KC-10やC-17)であるDarren McDew米輸送コマンド司令官が候補である。決定すれば黒人初の空軍トップとなる同大将は、2014年8月に輸送コマンド司令官に就任したばかりだが、かねてから有力候補者といわれている
●次に、米空軍戦闘コマンド司令官であるHerbert Carlisle大将は、戦闘機パイロットであり「伝統的な」候補者と考えられている。前職が太平洋空軍司令官であり、アジア太平洋リバランスの旗を揚げている政権を支える経験を備えた人物である
●ただし、本年後半には59歳となり、空軍参謀総長としては高齢すぎるとの指摘が絶えない。
●最後に、航空機の操縦経験が全く無い「非伝統的な」候補といわれるJohn Hyten空軍宇宙コマンド司令官が浮上している。
●昨年8月から現職を勤める同大将は、宇宙やサイバー戦の重要性を強調し、陸軍や海軍トップ選考に自らの好みを示したカーター国防長官が選ぶ可能性があると考えられている
●全く別の視点だが、空軍士官学校卒ではなく、ハーバード大学をROTC(士官候補生奨学金)で卒業したHyten大将は、ハーバード卒であるカーター長官の好みに会い、陸軍や海軍トップとにもアイビーリーグ教育の経歴があることから注目されている
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まぁ・・・ちょっと残念な「噂記事」ですが、今後の展開に注目です
カーライル大将も立派な人なのですが、赤いスポーツカーをハワイで乗っているらしいロビンソン大将に期待していたので、少し力が抜けました・・
経歴や背景:Robinson大将の記事
「次の空軍トップ候補は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-14
「驚嘆:女性大将が対中国の指揮を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-03
「議会決定:Robinson大将PACAFへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-29
国防省での女性登用例
「米海軍初の女性大将」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-02
「国防副長官代理に女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-04
「空軍長官に女性を起用」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-03
「国防省No3政策次官に女性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-22
衝撃の米空軍トップの2013年新年メッセージ
戦闘機操縦者支配への反発が顕在化
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-04