10月18日から11月3日までの約2週間に渡り、イスラエル空軍がイスラエル南部中心に、米国、ギリシャ、ポーランド、ドイツ空軍等が参加した「イスラエル史上最大の多国間空軍演習:Blue Flag演習」を行いました。「等」は、他にもオブザーバー国があった事を指していますが、国名は伏せられています
なお、ドイツ空軍は「オブザーバー参加」で実際の飛行を行いませんでしたが、ホロコーストで因縁の両国が軍事演習で肩を並べる歴史的イベントでもあったようです。
そんな過去のことはさておき、2013年に1回目が行われたイスラエル空軍の「Blue Flag演習」は、もちろん米空軍がネリス空軍基地で行う多国間演習「Red Flag」に習ったものです。
しかし、イスラエル南部の砂漠地帯にあるOvda基地を中心に、イスラエル中の狭い訓練空域と紅海上空を利用した多国間の大規模空軍演習は、時節柄、周辺国へのシグナルとしてかなりのインパクトがありそうです
その辺りは、駐イスラエルの米国大使がOvda基地を訪れ、訓練参加の多国籍兵士を激励する様子からも伺えます
30日付「The Times of Israel」紙web版によれば
●イスラエルにとって史上最大の空軍多国間演習となった2回目の「Blue Flag」には、米空軍とイスラエル空軍のF-15戦闘機、ギリシャ空軍とポーランド空軍とイスラエル空軍のF-16戦闘爆撃機が参加した
●イスラエル全土の空域を使用した演習では、仮想敵国での作戦を想定し、敵のミサイル発射機や航空機、輸送車両等への攻撃を行った
●実際の演習は2週間だが、準備は8ヶ月前から開始されていた。イスラエル空軍担当者が参加各国を訪れ、どのような訓練をしたいか希望を調査し、やりとりを繰り返して訓練計画を練り上げていった
●演習は高密度の高いレベルの設定で行われたが、参加航空機等の機材の能力を試すよりも、参加兵士の「根性」や「気概」や「判断」に挑戦するものとして計画された
●演習を計画したイスラエル空軍担当者達は、兵士にチャレンジさせるため、参加兵士を「奇襲」するようなシナリオを組み込み、操縦者達などが「どこに攻撃目標があるのかよく分からない」、「どこから敵が出現するか判らない」状況を提示した
イスラエル空軍の「Blue Flag演習」紹介映像
/////////////////////////////////////////////////////////////
写真や映像から、イスラエル空軍が多国間演習を映像広くアピールする様子が伺えます
アラブの春から始まった「中東混迷の時代」・・・ISISの台頭やシリアの混乱、トルコの内政混乱、原油価格の低迷、湾岸諸国の動揺、イラン核合意を巡る米国と中東諸国の緊張等々・・色々な「史上初」が今後も続きそうな雰囲気です
イスラエル関連記事
「新統参議長:初海外はイスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-20
「中東でイスラエルはF-35独占?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-13
「イスラエルと中国が大接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04-1
「起業大国イスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-20