JPモルガン顧問へ:Odierno前陸軍参謀総長

JPMorgan Chase.jpg22日付Defense-Newsは、退役したばかりの前陸軍参謀総長Ray Odierno退役大将が、Wall Streetの巨大証券会社JPMorgan ChaseのCEOアドバイザーに就任したと報じ、その背景や理由について考察しています
記事に登場する専門家は、メディア登場していたような高級幹部は、一般的に民間企業での需要が高いと語っています。その辺りの背景について、色んな見方が紹介されているので、ご参考までご紹介します。
聞くところによると我が国の場合、高級幹部はまだ軍需産業や自衛隊と関わりのある企業に再雇用が限られているようなので・・・
22日付Defense-News記事によれば
Odierno8.jpg●最近では、ペトレイアス退役大将が「Kohlberg Kravis Roberts & Co」に、Wesley Clark退役大将が「Blackstone Group」に再就職しているが、Odierno退役大将は金融業界大手にCEO顧問として加わった
●JPMorgan のCEOは「彼の経験やビジョン、極めて困難な問題に対処して印象的な結果や成果を収めてきた経歴は、我が社の指導者層や社員、お客様に多大な価値を提供するだろう」とOdierno退役大将を歓迎している
●軍需産業アナリストの専門家は、「金融業界での退役将軍のアピール点は、広範な経験、大組織を統率してきた人間性、そして人物が持つ威光や威信であろう」と語った
●また「10万人以上の兵士を前線で指揮した人物の意見など簡単に聞けることはない。軍参謀総長としての威光を過小評価すべきではない。ワシントンDCより、Wall Streetでその評価は高いのではないか」と見ている
●また海兵隊の退役少将で企業コンサルタントを勤める人物は、「リスク管理や危機管理が期待されている。企業は退役軍人に作戦計画など聞きたいのではない。リスク管理や最小化の助言を求めているのだ」と説明している
人材派遣会社CEOは「Odierno氏のような高級退役将軍を再雇用するのは、スマートな政治的行動」と説明し、「ワシントンDCに対し、JPMorganが親政府で米国を応援する企業だとのイメージを発進する極めて戦略的な行動だ」と解説した
●そして「元高級将校からの助言を得ることは、良いイメージを生み、クリーンで米国応援団のようなイメージを生み出す」とも語った
ただし政治的な動きのあった人は・・
JPMorgan Chase2.jpg●前述の軍需産業アナリストは、「ただし、Odierno退役大将は、ただ単に陸軍参謀総長にまで上り詰めたのではない。政治的なトラブルに関与しないよう勤めてきたのだ。これは容易なことではない」とも語った
●Wall Streetの企業にとっては、特定の政党の応援を受けず、政治的に中立で、組織管理能力があり、軍で成果を上げた人物が望ましい、と同アナリストは説明してくれた
もちろん、経営に余裕のある企業でないと退役軍人にそれなりのサラリーは払えないが・・・とも付け加えた
Odierno氏クラスでも、現役時に年収が20万ドル(約2500万円)を越えることはない。少なくはないが、民間企業で同様の能力を備えた人材への報酬とは比べようもないだろう。
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もちろん大人数の大組織を指揮し、前線から議会対応までの複雑な業務をこなしてきた経験や知識を持つ人材は得難いですが、「企業イメージ」や「ワシントンDC受け」が重要との視点がより正確な分析でしょう
Odierno7.jpgJPMorgan Chaseとは対したものです。下世話な興味ですが、年収いくらでCEOアドバイザーなんでしょうか?
でも、米国資本の「強欲な金融機関」が、足腰の弱い発展途上国の経済を振り回して不安定を生み出しつつ、暴利をむさぼっている事は周知の事実であり、その点でOdierno退役大将の現在の心境はいかがなんでしょうか?

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