米国防長官が薄膜回路センサー開発に企業等と大同盟

久々にカーター国防長官を取り上げます!
Hybrid electr.jpg8月28日、カーター国防長官がカリフォルニア州で薄い膜のような曲げられ装着可能なセンサーをイメージした「hybrid electronics」を開発する、企業&大学&政府機関の連合体「FlexTech Alliance」の創設を発表しました
この「Alliance」に参加する96企業、41大学、14国家や地方機関、11研究機関を束ねて研究を推進するため、「National Manufacturing Innovation Institute:国家製造革新研究所」を設けるとのことです。
カーター長官は、民間分野で生まれる新技術を、いち早く国防に導入するための各種施策に力を入れており、最近では、シリコンバレーの新技術を見いだして取り込む機関「Defense Innovation Unit Experimental:DIUx」を設置したところです。
8月28日付米国防省web記事によれば
カーター国防長官は加州の産業界を訪問した後に講演し、開発を目指す「Flexible hybrid electronics」が巨大な潜在的可能性を秘めていると語った
●国防省はシリコンバレーに設置される「国家製造革新研究所」に約90億円の投資を行い、「Alliance」に参加する官民の団体からも同等以上の投資があると、国防長官は明らかにした
hybrid elect.jpg●カーター長官は「Flexible hybrid electronics」について、薄いシリコンチップに電子回路やセンサーや電源等を組み込んだ柔軟性のある先端素材だと表現し、「次世代の電子装備になり得る」と語った
●また「軽量で柔軟で薄い同製品を、艦艇や航空機の表面にセンサー等として装着したり、従来の回路基板や配線が不可能だった部分に活用すれば、リアルタイムでの情報収集が可能になる」とも可能性を語った
●更に「肌のような柔軟性を持つ同製品を兵士の戦闘服等に織り込んだり直接装着させることで、兵士の状況を的確に把握でき、負傷した場合などに迅速な対応が可能になる」とも語った
●長官は「この革新的な技術が応用可能な分野や装備を、我々はまだ十分理解出来ていないのが現実だが、これが革新的技術の素晴らしい側面でもある」と大きな期待を示した
●過去3年間でオバマ大統領が取り組んだ「製造革新研究所」が6つあるが、その内4つが国防省関連機関である。
●これらの機関をカーター長官は、「最先端の電子装備を開発、製造して、民間へ波及させるための、先駆者的革新を可能にする研究拠点だ」と語った
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Les&Gay month.jpg理論物理学者であるカーター国防長官が、国防副長官や調達担当国防次官として軍需産業政策に取り組んだ経験を踏まえ、また米軍の技術優位を維持するための施策を思案した結果の一つとして、「第3のOffset Strategy」が発表されていますが、その取り組みの一環です
カーター長官に取っては「一丁目1番地」の事業なのかも知れません
「第3のOffset Strategy発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-06-1
米国防省幹部によるシリコンバレー訪問が頻繁になってきました。
シリコンバレーは「IT産業」のイメージで、もちろん今もそうですが、最近は「もの作りベンチャー」も集まりつつあるようで、国防省はそんなところにも期待しているのかも知れません
ちなみに、冒頭で紹介した「シリコンバレーの新技術を見いだして取り込む機関:DIUx」に付いては、以下の過去記事とwebサイトが紹介しています
過去記事→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25
関連Webサイト→http://diux.mil/

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