中央軍事委員会副主席の訪米

Changlong5.jpg8日、カーター国防長官の中国側カウンターパートである中央軍事委員会(共産党と中国両方)のFan Changlong(范長龍)副主席が、6日間の日程の訪米をサンディエゴ訪問で開始しました
中央軍事委員会の主席は「習近平」であり、副主席は「習近平」を補佐して中国軍事を仕切る位置取りにあります。范長龍副主席は、2012年に習近平が共産党軍事委員会主席に選出された第18回党大会で副主席になっており、十分な経験があります
縁起でもない話ですが、2009年に同じポストで訪米した「徐才厚」は、昨年6月に「重大な規律違反(巨額汚職に関与)」を理由に、党籍剥奪→軍法会議→獄中で病死の悲惨な末路をたどっています。
中央軍事委員会のメンバーレベルは逮捕されないとの不問律を破り、汚職排除の「見せしめ」となったのが前任の徐才厚大将でした
Fan Changlong(范長龍)副主席の訪米は
Changlong3.jpgカーター長官のカウンターパートと見なされているFan Changlong(范長龍)副主席は8日、空母ロナルド・レーガン視察のためのサンディエゴ訪問で訪米を開始した
11日木曜日には、国防省でカーター長官との会談が計画されているが、その前にシアトルのボーイング社工場を見学し、テキサスの米陸軍Fort Hood基地にも立ち寄る計画である
●副主席の訪米は、米中間の緊張や誤解を解くための定例的な軍事対話を実現するため、1年に及び行われてきた努力の成果の一つである
●ちなみにカーター長官の前任者のヘーゲル氏が2014年4月に訪中した際は、両国の摩擦を象徴するように、激しい言葉のやりとりがあった
Changlong2.jpg●5月末、第14回アジア安全保障会議でカーター長官は、中国による南シナ海での岩礁の埋め立て・軍事施設建設を「out of step」と非難している
●またオバマ大統領も6月に入り、領土問題は「ひじ打ちを食らわす」様なやり方では解決できないと中国に警告を発している
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米国側もそろそろ、このような交流行事がほとんど効果がないことに気づいているとは思いますが手術室の衛生状態のように、良くしても病気は治らないが、悪くすると患者の容態が悪化するリスクを負います
Changlong4.jpgこの副主席がどの派閥に属し、習近平との関係がどうだか承知していませんが、組織構造や序列上から「カーター長官のカウンターパート」ですからご紹介しました
ちなみに「徐才厚」は在米中、CSISで講演を行いましたが、「范長龍」はどうでしょう・・・。中身には期待できませんが、パフォーマンスの洗練具合を確認したいものです
前任者ヘーゲル長官の2014年訪中(日本とモンゴルも)
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-01

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