21日、米空軍協会の勉強会で講演した米空軍F-35準備室長のHarrigian少将は、来年8月に運用開始予定のF-35が依然工場で組み立て中で、尚かつ、工場出荷後に配属基地で標準形態にするための改修作業を行う必要があると発言しました
当然記者団や関係者からは、「なぜ工場で標準形態に製造できないの?」との質問が出ましたが、「しどろもどろ」で回答にならず、見切り発車で「手戻り前提」の製造を行っているF-35問題が浮き彫りになっています
また、今後製造されるF-35の配分先が時系列で説明されました。
26日付米空軍協会web記事によれば
●21日、米空軍F-35準備室長のJeff Harrigian少将は、2016年8月に米空軍で最初に初期運用体制IOCを獲得予定の12機のF-35Aは、未だLockheed Martin社のFt. Worth工場で製造ラインにあると語り、勉強会参加者を驚かせた
●更に同中将は、工場で製造されたF-35は、配備先のユタ州Hill空軍基地で「計画されている標準形態にするため、改修を受ける」と発言し、会場を驚かせた
●勉強会参加者からの「なぜ工場で標準形態に製造できないのか?」との質問に対し準備室長は、「容易に出来ると良いのだが、難しい」、「部品を準備しないといけないし、製造方法も変更する必要がある」と回答した
●更に同少将は、改修に必要な全ての部品は手配されており、最初にIOCを迎える機体用に準備しており、Hill空軍基地で最初にF-35がIOCを迎えるのは、同基地がF-35部品の管理集積基地だからだと説明した
●その後は、他の基地でも同様の改修が行われる。フロリダのエグリン基地、アリゾナのルーク基地等々である
2021年までの米空軍F-35配分先
(Harrigian少将の講演より)
●最初に初期運用体制IOC態勢を確立するユタ州のHill空軍基地は、今年9月に(何機か不明の)機体を受領し、2016年8月にIOC態勢を確立する。同基地は2019年までに全ての機体を受領する
●次はアラスカのアイルソン空軍基地で、太平洋軍で初の受け入れ基地となる。2019年7月から2020年10月の間に、2個飛行隊分のF-35を受領する
●次に、バーモント州のBurlington基地が2020年7月から2021年5月に受領し
●海外初の米軍F-35部隊となる英国Lakenheath基地は、2021年6月から2022年9月に受領する。その後は決まっていない
●操縦者の教育を既に開始しているフロリダのエグリン基地は既に26機を保有し、アリゾナのルーク基地は6個飛行隊144機の受け入れを予定している
●その他、ネバダのネリス基地と加州のエドワーズ基地は、戦術開発や試験のための機体を少数保有する。
●既に全タイプを含めると123機が製造され、2020年末までには、外国7カ国も含め、3タイプ合計で651機が供給されているだろう
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開発と製造を並行して行う前代未聞の見切り発車状態で突っ走ってきたF-35の矛盾が、ここに来て吹き出し始めたわけです。
開発途中で見つかった不具合対処(今も見つかり続けている)は、製造済みの機体には「後付」で行う・・・壮大な無駄作業が膨大に発生するわけです
飛行試験は継続中で、しかも頭脳となる「ソフト開発」が初期段階で、飛行試験はまだまだまだまだ追加が必要です。
米空軍のIOC時点では一部の搭載兵器しか使用できず、より高度なソフト開発を待って搭載可能兵器を増やし、より複雑な機体に負担の掛かる試験が待ちかまえています
計画通りのIOC達成など「問題隠し」の高等戦術に過ぎません・・・「亡国のF-35」は暴走を続けています!