14日米キャンプデービッドで、米国と湾岸諸国会議GCCの首脳サミットを行い、対イランや混乱する中東情勢に対処する足並みぞろえを行った模様です。
共同声明はイランやIS問題もあり「共にがんばろう」的なものになっているようですが、色々な思惑も交錯しているようです。
そんな中の一つが「F-35を湾岸諸国に売るか問題」ですが、イスラエルに気兼ねしている米国は、湾岸諸国会議GCC(サウジ、UAE、クウェート、カタール、バーレーン、オマーン)への売却に消極的であり、GCCは不満を募らせているようです
まず14日付Defense-Newsは
●サミット後の会見でオバマ大統領は「GCC諸国との安全保障に関する鉄の結束を再確認できた」、「共同宣言で触れたように、米国はGCC諸国と共に、国連憲章に沿って、GCCの領土に外部から脅威になるような勢力を抑止して対処する準備がある」と述べた
●共同宣言には「関係国は共に、安全保障協力の改善に努め、武器取引の迅速化に勤め、対テロや海洋安全保障、サイバーやBMD分野で協力を強化する」と記述されている
●また共同声明はイランを一つの脅威として取り上げ、「米国とGCC諸国は共に、イランによる地域不安定化の動きに対処する」と明示している
●オバマ大統領はイランとの核協議の進展を懸念するGCC諸国に対し、米国がGCCに背を向けることは無いと強調する一方で、「明確にしておくが、本サミットの目的は、イランとの対立を永続させるためやイランを軽視することではない」とも語っている
15日付米空軍協会web記事は
●米国務省高官は、米国がF-35を売却しないからGCC首脳がサミットに来なかった、との噂は根拠の無い話だと訴えた。同高官は「我々は差し迫った課題について議論したのであって、F-35はその範疇には入らない」とも説明した
●軍需産業関係者は、F-35パートナー国や既にFMS契約している国以外の場合、今後どんなに急いでもF-35発注は2018年で、納入は2020年以降になると語った
更に別の米空軍協会web記事は
●Ben Rhodes副大統領補佐官は「サミットでは、変化しつつある当地域情勢に対応するための能力構築について議論がなされ、非対称脅威への対応、対テロや海洋安全保障、サイバーやBMD分野の喫緊の課題がGCCのニーズだ」と語った
●また「我々は地域情勢に対応するため、広範な能力について検討しているのだ」とも述べた。
●別の政府高官は、GCC諸国に対し対ISやイエメン空爆等で消費した弾薬を補給する必要性について、「適切な結論に達した」と表現した
●またF-35に関しては「特定の装備品に関する大きな変化はなかった」、「GCC側の要望は会議の中で周知された」、「GCCの要望に我々は対応する」と表現した
●バイデン副大統領のColin Kahl安全保障補佐官は「サウジやUAEは、米空軍が保有しているものよりも優れたF-15やF-16を、保有また導入する計画がある」と語っている
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GCC諸国は、ほぼ産油国で「お金持ち国」です。なので、すぐ最新の戦闘機等のピカピカ装備をほしがります
ですが米国としては、もう少し脅威の実態を見つめ、体系的に装備や運用法を考えたらどうかと訴えているわけです
本当に米国政府幹部は忙しいです。ご苦労様です
「海外売込みに助言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-27