イージス艦用サーバー企業が中国に身売りで懸念

Lenovo IBM.jpg最新の話ではないですが、昨年10月、IBMの「BladeCenter」と呼ばれるサーバー部門が中国企業Lenovoに身売りされ、IBMが提供していた事業者向けのサーバー保守管理もLenovoに引き継がれました。
そこで米国土安全保障省がチェックした結果、最新のイージス艦システムの機能向上(Baseline 9 combat system upgrade)を支えるサーバーがIBMの「BladeCenter」製だったことが判明し、代替を検討するに至っているようです
5日付米海軍協会web記事によれば
IBMが中国のLenovoに企業の一部を売却したため、米海軍は新たなサーバー探しを迫られている昨年10月に完了した約2400億円で売却・買収により、Lenovoは世界第3位のサーバー企業となっている
Lenovo IBM2.jpg●米国土安全保障省はIBM「BladeCenter」売却に安全保障上の懸念を示し、米政府機関に対しLenovoに渡った「BladeCenter」製品の調達を制限する措置を講じた
●このIBMによる売却は、米海軍の懸念も生んでいる。イージス艦システムで、弾道ミサイル防衛と通常防空を一体化する機能強化「Baseline 9 combat system upgrade」において、IBMの「x86 BladeCenter HT server」が使用され、ソフトウェアの改修も行われていたからだ
●米海軍は、同サーバーがソフトも含め定期的な維持整備が必要で、その際中国企業に潜んだ中国政府エージェントに情報を奪われることを懸念している。またLenovoを通じ、中国政府機関がイージスシステム情報にアクセスする可能性も懸念される
米海軍のイージスシステム関係者は、同売却による影響を極小化するため代替手段を検討しており、国防省の「外国企業の米国内投資に関するモニターチーム」と協力しながら取り組んでいるとと語っている
Aegis.jpg●イージスシステムの主製造企業であるLockheed Martin社も、代替品検討に加わっている。同社報道官は「対応策は間違いなく存在する。しかし、詳細なマッチング確認、つまり要求性能、環境耐久性、適応試験等々、米海軍と協力しながら最終的に適切な対応に勤める」と述べている
●米企業では、IBM製品の代替の可能性のある製品は「Hewlett Packard」「Dell」と「Cisco」が製造している
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IBMのサーバー事業売却のお知らせ
→http://www-06.ibm.com/systems/jp/x/lenovo-acquisition.html
イージス艦IAMD(Baseline 9 )の重要性
「Baseline 9 :米イージス艦の進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
「米海軍のNIFC-CAとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
このような話は他にも多数あるのでしょう。部品レベルにまで遡ると、多くの部品が中国や海外企業に行き着く現状の危うさを示す一例なのでしょう。
このような事情も、関係国との「パートナーシップ強化」に力を入れる背景でしょう
中国製のニセ部品関連
「F-35センサー中国製造疑惑」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-14-1
「上院の偽部品レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-23-1
「米国製兵器は偽物だらけ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-29
「中国製にせ部品との戦い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-10
防衛省も粗悪部品の調査へ
→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150506-00050000-yom-pol

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