1月30日、米空軍はF-35融合室(F-35 integration office)の体制を、4名から12名に拡大し、室長(director)を「大佐」から「少将」へ格上げすると発表しました。
米空軍の準備室はその名の通り、新機種であるF-35の米空軍への融合を図る任務を担っているそうです。
今日のお話は、米国防省のF-35準備室(F-35 program office:Bogdan中将が室長)の話ではなく、米空軍内の組織の話です
1月30日付Defense-News記事によれば
●米空軍は1月30日、米空軍司令部の作戦・計画副部長であるJeffrey Harrigian少将を、2月1日付でF-35融合室長に命じたと発表した
●同時に、F-35融合室の体制を、現在の4名体制から12名体制に拡張することを明らかにした。なお現室長のCarl Schaefer大佐は、エドワード空軍基地の第412実験航空団の司令官を命ぜられた
●新室長のHarrigian少将は「今回の組織変更は、この優れた新戦闘機を米空軍全体として戦力化するのあたり、空軍内の様々な声を融合してまとめることに資する狙いがある」と職務を説明し、
●「空軍内の主要コマンドの利害を調整調和させ、国防省F-35準備室とも協力し、計画全体の健全な推進を確かなものとしたい」と抱負を語った
●厳しし予算環境の中、多くの専門家や研究者が米空軍が計画する1763機調達は難しいと懐疑的だが、米空軍は同機数に変更はないと主張している
●米空軍のF-35初期運用能力獲得IOCは、2016年の8月から12月の間を予定している
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この「融合室」の機能がよくわかりませんが、しっかりした人材を配置したことから、米空軍全体の「利害調整・調和」が課題となってきたのでしょう。室の格上げが遅いような気もしますが。
A-10攻撃機を全廃し、米空軍F-35整備員を確保する計画がほぼ「とん挫」していることから、この「利害調整・調和」は大変なお仕事となるのでしょう。
新室長「Maj. Gen. Jeffrey Harrigian」のお写真を検索すると、米軍のイスラム国攻撃に関し、メディアや部内に説明を行う懸命な姿が多数ヒットします。
米中央軍の作戦中枢で勤務し、経験も豊富なHarrigian少将の「利害調整」に期待いたしましょう。それから・・日本にはあまり期待しないでね・・・
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