国防長官コメント:米印の国防協力合意に

hagelFirst.jpg25日、ヘーゲル国防長官はオバマ大統領とインドのモディ首相との間で合意された「国防協力合意:agreements on defense cooperation」に関する声明を発表しました
長官はこの合意を「ground-breaking agreements:画期的な合意」と表現しており、「1歩前進2歩後退」状態にあった両国軍事協力が「2歩前進」したのかもしれません
日本政府としては、「米企業の原子力発電所輸出推進」が米印合意に含まれて「がっかり」かも知れませんが、米印の国防合意は、対中国やアジア全体の安定に歓迎すべきことだと思います
ヘーゲル長官は25日付声明で
Obama-Modi.jpg●本日、オバマ大統領の歴史的なインド訪問に際し、インドのモディ首相との間で画期的な国防協力合意が発表され、両国間の軍事協力に新たなページを開き、米印戦略協力関係に重要な道標を打ち立てることを誓い合った
●米印両国は、米印国防関係に関する10年枠組みの見直し再編集を終了し、過去10年間の国防協力のモメンタムを更に継続発展させ続けることとなった
新たに軍事教育に関する協力関係構築に合意したことで、我々は両国の次世代指導者育成を相互に支援することになり、これにより相互の国防機関を将来に渡ってより緊密なものにしていくことができる
Obama-Modi2.jpgDTTI(Defense Technology and Trade Initiative)での合意では、4つの先導プロジェクト(pathfinder projects)に焦点を当てることとした
●その中には、空母技術と設計に関する作業部会の設置、ジェットエンジン技術に関する協力分野の検討などが含まれ、米印軍需産業の協力についての膨大な潜在力を両国が認知し始めたところである
●更に両国は本合意で、今後15年間にわたり科学技術分野での協力を継続し、両国関係を強化することを確認した
●これらを総合し、大統領による発表は、両国間の国防安全保障協力を新たに更に深く、洗練されたものにし、米国の広範な戦略的協力関係における大きな柱の一つに成らしめることを確固とした
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日本での報道によれば、4つの先導プロジェクトには無人機の共同生産も含まれるようです。また、両首脳の間でホットラインを設置することも明らかになったようです。
「原子力発電所の輸出」に関しては日本も進出を狙っていましたが、インドでは原発事故が起きた際にメーカーの責任が問われることになっており、これが外国企業進出の障害となっていました。
今回米印首脳は、原発事故に備えた保険制度の設置で合意し、この問題をクリアした模様です。
Obama-Modi3.jpg核兵器拡散防止の基本方針に反したため、米国が世界から「ダブルスタンダード」だと非難を浴びながら2008年に締結した米印原子力協定から7年、やっとここまでたどり着きました。
次世代育成協力とか、作業部会の設置とか、協力可能分野を探るとか、「初期」段階のような合意ですが、「ground-breaking」なんです。たぶん・・・
オバマ大統領は当初予定していた「タージ・マハル」の訪問を中止し、アブドラ国王が死去したサウジアラビアに向けて27日に出発だそうです。でも26日、インドの共和国記念日の式典に米大統領として初めて出席するそうです
インド関連の記事
「新インド首相の訪米」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-30
「ヘーゲル長官の訪印」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-12
「米印関係ランクアップ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-01-1
「米軍がインド対応特別チームを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16
「露製ステルス機インドへ輸出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-14

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