第1次世界大戦の最前線で起こった「実話」を元に作成された、英国第3位のスーパーマーケットチェーン「Sainsbury」のクリスマス用CM映像です。テーマは「クリスマスに皆と分かち合おう」です。
CM映像のストーリーは
●昼間の戦いが終わったクリスマスの夜8時過ぎ、塹壕の中で凍える一人の若い兵士の元に、恋人から手紙が届く。中には恋人の写真と板チョコが添えられていた
●会話もなく吹きさらしの塹壕内で、一人がつぶやくように「きよしこの夜」を歌い出す。すると皆もつられてつぶやくように歌い出す。そしてそれが大きな合唱へと
●対峙する敵の塹壕からなにやら歌声が聞こえてくる。耳を澄まして聞くと、それは英語で唄われている「きよしこの夜」 敵の塹壕内でも誰かがつられ、ドイツ語で同じ歌を歌い出す
●いつしか敵同士が、塹壕を隔て、異なる言語ながら、同じ唄を合唱している。合唱は徐々に拡大し、周辺の戦線の塹壕にも広がっていく
●翌日の朝、何を思ったか一人の兵士が塹壕から武器も持たずに立ち上がり、敵の方へ歩いていく。居眠りしていた先輩兵士が気づき、慌てて制止しようとするが、若い兵士は辞めない
●敵側の塹壕に緊張が走る。「敵兵発見!」と見張り係が叫ぶ。しかし何か変だ。敵は素手で両手上げている・・・
●敵方の若者兵士も両手を上げ、塹壕からはい出して近づいてゆく。緊張して見守っていた両軍の兵士の中からも、これに続くモノが現れ・・・
クリスマス用CM映像(約3分半)
CM作成の背景説明とメイキング映像(約3分半)
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当時の前線兵士から家族に送られてきた手紙に記された記述から、再現されたモノだそうです。同様の話は戦線の各地であった模様で、48時間の局地的停戦に合意した戦線もあったようです。メイキング映像によれば、幾つかの別々の場所でのエピソードを集めて作成したようにもとれます。
しかし必ずしも美談だけでなく、敵の理解を得ようと申し出て、逆にこの動きに反対する敵に攻撃を受け死亡した兵士もいたようです。
映像の出てくる「Sainsburyチョコレート」は、現在もそのままの包装で販売されており、売り上げの一部が英国の前線兵士の支援に寄付される仕組みになっているようです
第1次世界大戦での話です。今や戦いの様相も変わってしましたが、前線の兵士に罪はないのかもしれません。しみじみ・・・