5日付Defense-News記事が、米海軍省のNo2である海軍次官(undersecretary of the Navy)が1年半以上空席で、後任候補者を大統領が推挙して1年以上も「承認」を得られないでいると報じています。
候補者は54歳の女性ですが、2013年10月に上院ヒアリングで「ずっこけ」てから海軍関係者でさえ行方も知らない「宙づり」状態になっているようで、2014年末には「推挙」が自動消滅するだろうと記事は結んでいます
5日付Defense-News記事によれば
●現在国防副長官であるBob Work氏が、米海軍次官を退任してCNAS理事長に就任したのが2013年3月で、その後任に大統領がJo Ann Rooney女史を推挙したが2013年9月11日である
●しかし直後の2013年10月10日に行われた上院での審議で、彼女はマケイン上院議員やギルバート上院議員からの「軍の指揮統制」や「セクハラ問題」に関する質問にまともに回答できず、上院は承認を見送った
●大統領は2014年1月6日に再びRooney女史を推挙し、この際は上院軍事委員会を通過したモノの、同時に推挙された他の3名が承認されたのに、Rooney女史だけは上院全体での採決に至らなかった
●多くの上院関係者は、Rooney女史が今年中に上院全体での採決に掛けられるとは思えないと語っている
●Rooney女史は小規模大学の学長を2カ所で務めた経験はあるが、政府機関及び国防省関連の職歴には、2011年11月から2012年6月までの7ヶ月、人的戦力管理担当の主任次官補代理を務めた経験のみである
●ネット検索によると、現在彼女は保険業界のBostonian Group部長であり、Huron Consulting Groupの経営管理部長でもあることになっているが、海軍省関係者は誰も彼女の現状を知らないし、語ろうともしない
●Rooney女史の推挙はホワイトハウスの決定であり、海軍の手の出せない問題である
●一方、ホワイトハウスのCaitlin Hayden報道官は、「Rooney女史の推挙についてコメントすることはない」とメール(9月17日)で回答をよこしたきりである
●あらゆる手段を活用してRooney女史との接触を試みたが、全ては無駄に終わっている。何処にいるのかさえ判らないのだ。
●彼女自身も、ホワイトハウスも推挙を取り下げようとはしていないが、2014年末には本年1月に再提出された「推挙」は無効になる
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「政争の具」になっているわけではないようですが、オバマ大統領による強い「女性登用」方針に、適当な人材育成が「追いついていない」感がします。
安倍総理も積極的に「女性登用」を訴え、具体的数値目標の設定に言及されていますが、「足下を固めつつ」&「段階的に」の姿勢も重要な気がします。分野によっては・・・
関連の過去記事
「Rooney女史VS上院」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-17