中国のソン級潜水艦がアデン湾での海賊対処のためインド洋を西進中(又は到着済)で、その途中の燃料補給等のため、中国が援助して作らせたスリランカの港を利用した事で大きな話題となっているようです。
既にご存じの方も多いかもしれませんが、米海軍協会webサイトが紹介していますので改めてご紹介します
30日付米海軍協会web記事によれば
●9月7日から14日の間、スリランカのコロンボ港に中国海軍のソン級(Song-class)が姿を現し、大きな注目を集めた
●本件に関し、中国国防省の報道官Geng Yansheng大佐は先週の記者会見で、1隻の中国海軍潜水艦がアデン湾での海賊対処活動に向かっていると認め、「全てに国の海軍の潜水艦や艦艇は、定期的に港で補給を受ける必要があると申し上げておく」と触れるに止めた
●中国は長期にわたり計画的に、スリランカやパキスタンやミャンマーの港湾インフラに投資を続けており、インド政府の懸念事項となっている
●そして今回の潜水艦のアデン湾進出は、中国が西太平洋や南シナ海から活動域を拡大してきているのではとの懸念を、インドや周辺諸国にもたらしている
●25日、インド海軍参謀総長は「インド洋に展開して活動する中国海軍艦艇は、継続的にモニターしている。また我が航空機、潜水艦、艦艇が常に対応できるように活動している」と語った
●今回の潜水艦活動が気のないモノであっても、アデン湾への長旅は、潜水艦を遠洋活動させるための兵站テストと見られている
●9月30日付のJDW誌は「潜水艦のコロンボ港寄港は、シーレーンに艦艇や潜水艦を展開させるための中国軍ニーズを如実に示している」と分析している
●当該の中国潜水艦が、何時アデン湾で活動中の中国艦艇群と合流したかは不明である。しかし一般に、母港の海南島からアデン湾までは5500nmで、2200トンのソン級にとっては約3週間の航海である
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中国の潜水艦が、急速に運用能力を向上させていることを示す一例でしょう。
海賊対処にどれだけ潜水艦が役立つのか、他の海賊対処参加国が潜水艦を派遣しているのか「?」ですが、生暖かく見守りたいと思います。