1日、米海軍238年の歴史で初の女性大将が誕生
昨年12月に、大将昇任と海軍No2ポストへのノミネートがなされ、1日付で米海軍副作戦部長(海軍トップは参謀総長ではなく、作戦部長CNO:chief of naval operationsと呼ばれる)にも就任しました
この女性はMichelle Janine Howard大将で、昇任&異動する直前は、米海軍司令部の作戦&計画部長(N3/N5)を勤めていた実力者です。
1日付米国防省webサイトは
●Mabus海軍長官は昇任式で「Michelle Howardの大将昇任は米海軍における輝かしい経歴のたまものであり、副作戦部長としての職務においても継続されるだろう」と述べた
●更に長官は「また同時に、彼女が女性として初めてこの階級に付くことを、歴史的な出来事としても祝いたいと思う」と付け加え、「彼女のなしえたことは、我々が使えるこの国が、人種や性別や宗教で人を選別するのではなく、成功がその人の能力や技能によってもたらされる国であることの証である」と語った
●グリーナート海軍作戦部長は「彼女の32年間のキャリアとその中でなしえたことは、彼女が誠実に高見を求めて絶え間ない努力を続けてきた証である」、「海軍で最も新しい4つ星将軍と仕事が出来ることが楽しみである」と式典で挨拶した
Michelle Howard海軍大将は・・
●1982年に海軍士官学校を卒業し、その後1998年に米陸軍の指揮幕僚大学を卒業し、修士号を取得している
●1999年、黒人女性として初めて米海軍艦艇(USS Rushmore:LSD-47)の指揮官となった
●湾岸戦争の際はUSS Mount Hoodの機関長として参加し、ユーゴのPKO(OJE)にはUSS Tortugaの上級士官として参加している
●またHoward海軍中将(当時)は、ソマリア沖で海賊対処に当たる多国籍のTask Force 151を、第7強襲揚陸部隊の指揮官として指揮した
●更に、2010年に第6艦隊が実施した「Baltic operations」では、Maritime Task Force commanderを勤めた
●ちなみに、現副作戦部長のMark E. Ferguson海軍大将は、米海軍の欧州及びアフリカ司令官、並びに伊Naplesに所在する同地域の連合司令部官も務める予定
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ちなみに米軍全体では、2008年にAnn E. Dunwoodyが陸軍大将に初めて昇任し、米空軍では2013年に初大将が出ている
この人事は、オバマ政権による女性の米国防省国官ポストへの起用推進の一環との見方もあり、米国防副長官の臨時代行に女性のChristine Fox女史が就いた流れに沿っているが、米海軍司令部でN3とN5トップを勤める人材だけに衆人の認める人事とも言えます。
女性の登用が進んでいます。空軍長官や国防省の政策担当次官に女性が付いていることもこの流れかと思います。お手並み拝見です。
Howard海軍大将は1960年4月生まれの53歳で、海軍キャリアでどこへ行っても「女性初」の道を切り開いてきた方です。
経歴の細部については以下を
→http://www.navy.mil/navydata/bios/navybio.asp?bioID=394
→http://en.wikipedia.org/wiki/Michelle_J._Howard
国防省での女性登用例
「国防副長官代理に女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-04
「空軍長官に女性を起用」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-03
「国防省No3政策次官に女性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-22
「中国作戦の指揮を女性が!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-03