18日付読売新聞朝刊(2面)が、「日米韓ミサイル防衛-情報共有を米が打診 安倍首相に」との記事を掲載し、4月末にオバマ大統領が来日した際、米側から3カ国によるBMDシステム共同運用に向けた打診があったと報じています
5月30日からのシャングリラ・ダイアログ(アジア安全保障会議)の場を活用して開催予定の日米韓国防相会議で、検討開始の提案がある模様です。
軍事的な合理性からすれば、弾道ミサイルの発射や飛翔情報を多国で共有し、迅速な対処に活用するのは「ごもっとも」な発想ですが、信用ならない韓国が相手ですから・・・
18日付読売新聞朝刊によれば
●日本政府関係者によると、4月のオバマ大統領来日の際、スーザン・ライス大統領補佐官が安倍首相らに提案し、安倍首相も前向きに検討する考えを伝えた模様
●30日からシンガポールで開催のシャングリラ・ダイアログ(アジア安全保障会議)にあわせ予定されている日米韓国防相会議で、BMD共同運用に向けた検討開始を提案するとみられる
●具体的には、韓国のレーダーで探知したミサイル発射情報を、3カ国で瞬時に共有することなどが柱となり、より効果的なBMD態勢を整える狙いがある
●北朝鮮に近い位置にレーダーを配備し、上昇加速段階のミサイル捕捉が可能とされる韓国の追尾能力を、米国は現状の日米によるミサイル防衛体制に取り込みたい思惑がある
●ただ韓国は、日本との防衛協力には消極的だ。日本政府内では「韓国側の心情的な問題も在り、簡単な問題ではない」(防衛省幹部)との声が出ている
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4月中旬の3カ国国防協議では・・
(5月4日の時事通信報道)
●北朝鮮の脅威をにらんだ日韓両国間の軍事情報共有に向けた取り組みが、思うように進んでいない。
●4月17日、3カ国の防衛当局高官協議の初日。韓国は与野党の反発で日本との軍事情報包括保護協定の署名を見送り、代わりに、国会の関与を必要としない日米韓による覚書(MOU)の締結を模索。だがこれも正式な提案に至らず、日米はいら立ちを募らせてた。
●韓国国防省国防政策室長は、リッパート米首席補佐官、徳地秀士防衛政策局長に対し「覚書(MOU)を交わすことで、情報保護協定へ一歩踏み出すことができる」と言い訳がましく語ったのだ
●背景には、衰える気配のない反日世論と、日米韓の防衛協力強化に神経をとがらせる中国を気にせざるを得ない韓国の事情がある
●情報共有の最大の目的は、北朝鮮の弾道ミサイルへの対応強化だ。北朝鮮がミサイルを発射すると、米国の早期警戒衛星(SEW)が直ちに日本に情報を送信。自衛隊のイージス艦がミサイルを追尾し、迎撃ミサイルで破壊する。
●ただ、発射直後の上昇加速段階では、自衛隊のレーダーでミサイルの動向を把握するのは困難とされる。日本を射程に収める中距離ミサイルなら、この時間は数十秒。着弾まで10分もなく、この程度の「空白」でも対応の遅れを招きかねない。
●空白を埋める最善の方法は、北朝鮮に近い位置に配したレーダーによって、加速段階のミサイルを捕捉できる韓国の追尾能力を、日米のミサイル防衛(MD)網に取り込むことだ。
●在日米軍基地への攻撃を懸念する米国は、情報共有のための具体策を講じるよう韓国に強く求めている。
●しかし、韓国側の腰の据わらない態度に「やる気があるのか」との声も上がる。米政府はリッパート氏を大使として韓国に送り込み、説得を強める
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韓国が探知した情報を一方的にもらうなら大丈夫ですが、韓国に日本の情報は提供したくありません
韓国と中国の急接近や、北朝鮮との同民族間の深い関係を考えれば、韓国との情報共有は慎重の上にも慎重を期したいものです
このあたりは米国も判っているような気がしますが、スーザン・ライス女史の名前を聞いただけで「うさんくさい感」が漂います
私にとっては依然として「謎の怪人」である、リッパート氏の韓国大使としてのご活躍を「生暖かく」見守らせていただきます。
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「米国防長官も日韓関係を改善を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-01
「米軍トップ:韓国と協力を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-28
「リッパート氏が国防次官補に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-07
「リッパート氏とは?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-20