米比豪が南シナ海でBalikatan演習開始

Rosario1.jpg5日、米比豪の3カ国軍兵士約6000名が参加し、10日間の「Balikatan」演習が開始されました。「Shoulder to Shoulder」との意味を持つ演習名ですが、今回は海上での作戦行動に焦点を当てて実施されるようです
先週のオバマ大統領フィリピン訪問では、米軍部隊のフィリピン基地へのアクセス拡大で合意したと大きく報じられましたが、比側が期待していた「南シナ海での領有権問題を巡る衝突発生時の支援」について、オバマ大統領から期待した具体的発言は無かったようです
5日付Defense-News記事によれば
Rosario2.jpg●比のAlbert del Rosario外相は「攻撃的な隣国による現状変更を迫る行為に対処するため」と演習の目的を語った。直接「中国」とは言及しなかったが、「近年、法の精神を損ねる海洋及び領土拡大要求により、アジア太平洋地域の緊張が増大している」と訴えた
●同外相は本演習について、「海洋での能力向上と課題への対処能力」向上に焦点を当てて実施すると説明した
演習には比軍から約3000名、米軍から2500名が参加する。また他の地域同盟国の参加を追及した比の要望を受け、豪軍の特殊部隊を含む兵士が数十名参加している。
●演習では、実弾射撃、捜索救難訓練、人道支援が複数の場所で計画され、係争中の島嶼近傍地域での着上陸訓練や海洋監視システムのデモンストレーションが行われる予定
●外相は、演習参加の航空機が領有権が問題になっている島嶼近くの基地から参加するとも述べた。
Obama-Fi.jpg中国外務省の報道官は「全ての地域関係国の努力は、地域の平和と安定に資する方向に向けられるべき」とコメントした
人民日報は先週、「米国は中国に対抗する問題児同盟に加わることにより、中国に対する安全保障上の脅威に自らを仕立てた」と非難した
●3月30日、フィリピンは国連に対し、中国が南シナ海の7割の領有権を主張していることに関し、不法行為であり公海の自由への脅威であると訴えた
中国は国連による仲介を拒否し、2国間協議での解決を要求したところである
オバマ大統領訪比の成果は
Obama-Fi2.jpg米比の合意文書では、米軍兵士、艦艇、装備品を今後10年間、比国内の5つの基地に受け入れることに合意
●オバマ大統領は比に対し、比が攻撃を受けた際は米国が支援することを理解させようとしたようだが、比側が望んでいた様に米大統領が明確に特に言及しなかった。中国に対する警告を発しはしたが
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米軍の比へのアクセス拡大は今後10年間との限定合意ですが、米軍の皆さんがトラブルを起こさず、地元にお金を落としていただいて、少しずつ根を張っていただきたいと思います。
フィリピンに活動基盤が確保できれば、米軍活動の柔軟性を大いに増加させ、より「強靭な:Resilient」な態勢確立に多大な貢献をします。
沖縄のシロアリ地主に血税をつぎ込むより、米軍を受け入れるフィリピン基地周辺に日本のODAを大量投下したいくらいです!!!
米比関係の過去記事
「オバマ訪比の直前分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-10
「比への米軍展開拡大協議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-16
「比が空軍再構築宣言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-02
「米空軍のアジア戦略」→
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04
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