ウクライナ情勢で米露関係の今後が懸念される中、米国の宇宙アクセスに「ロシア製第一段エンジン」という思わぬ「アキレス腱」が見つかりました。
米国は、かつてボーイングやロッキードが別々に製造と打ち上げを行っていた「Delta IV」や「Atlas V」ロケット業界を、効率化の観点から、2007年にUnited Launch Alliance社を立ち上げて統合しています。
米空軍の計画に基づき開発が始まった両ロケットは、共に2002年が初打ち上げで、「Delta IV」は25回打ち上げで24回成功、「Atlas V」は43回中42回成功の高い信頼性を誇っています。
それぞれに特徴を持ちつつ、両ロケットは2014年にも既に各1回の打ち上げを成功させており、米軍事衛星打ち上げの両輪の位置を占めています
各ロケットの概要は
「Delta IV」→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%AB%E3%82%BF_IV
「Atlas V」→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9_V
「Atlas V」のエンジンが露製で問題化
●13日、下院予算配分委員会の国防部会でヘーゲル国防長官は、ウクライナへのロシアの軍事介入懸念を踏まえ、第一段エンジンがロシア製である「Atlas V」ロケットを米国軍事衛星の打ち上げに使用している件について再検討すると述べました
●14日に下院軍事委員会に出席したJames空軍長官も、ロシアとのパートナーシップを見直すべきと発言している
●United Launch Alliance社のMichael Gass社長は、2年分の(ロシア製)第一段エンジンを保有しており、またこれまでの米国自身による投資の成果で、同様のエンジンを独自に生産する能力保持を証明している、と国防部会で証言した
●5日、スペースX社(Space Exploration Technologies Corp)のElon Musk社長は、「長期的な安全保障を考慮し、Atlas Vの使用を止め、Deltaロケットを改良するのも選択肢だ」と述べ、自社が開発して参入を目指しているFalconロケットと共に「国防省の宇宙へのアクセスを確実なものに出来るだろう」と語った
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ロシアは、中東産油国のように「天然ガスと原油」に依存(75%)する国に成り下がり、GDPは中国の1/4程度だが製造業等は衰退して経済成長は何とか1%程度で、改革が必要な国有企業や諸制度はプーチン政権の利権となっており手つかずで、腐敗が蔓延する社会から若者や能力ある人材や資金の海外逃避希望が高く人口減少が続く衰退国です。
また、今回のクリミヤ半島略奪を見ても、対中戦略でロシアを活用などとは考えない方が良さそうです。
いっそ米国は、日本のH-2Bやイプシロンロケットを軍事用に使ってはいかがでしょうか? 宇宙の平和利用とか●●3原則に引っかかるのでしょうか??? もったいないビジネスチャンス!
「ロシア社会の停滞と憂鬱」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-15
2年半前の記事ですが、その状況は改善するどころか悪化しているとの見方が一般的
「宇宙とサイバー」カテゴリー
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302888136-1