19日付Defense-Newsによれば、2020年までの間にロシア軍は無人機に約9000億円を投資するとロシア国防相が発表した模様です。
細部投資先が不明で、9千億円が大きいのか小さいのか何とも言えませんが、投資を宣言する事で無人機の重要性や有用性を明確にし、ロシア軍内外へアピールしたことに意義ありと考えます
19日付Defense-Newsによれば
●ITAR-TASS通信によれば、ロシアのSergei Shoigu国防相は、2020年までにロシア軍の無人機に32兆ルーブル(US $9 billion)を投資する計画を発表した
●計画によれば、新無人機によりロシア軍の偵察、通信、戦闘能力が格段に向上するとのこと。同国防相は、計画に基づき何機の無人機を導入するか等について明らかにしなかったが、現時点で約500機の無人機を運用していると語った
●今回の国防省による発表は、プーチン大統領による昨年の発言、「無人機は現代の航空開発において極めて重要な分野で、ロシアは戦闘や偵察用を含む多様な無人機を開発する必要がある」に続くモノである
●またロシア軍は、UAE企業(Adcom Systems)製の無人機「Yabhon United 40」の試験を行うことになっている。
●またイスラエル企業も2009年の契約に基づき、12機の無人機をロシア軍の提供している。400億円の契約額で、短距離用の「Bird-Eye 400」と「I-View Mk 150」、より航続距離が長い「Searcher II」である。
●ただし、イスラエルは戦略的な理由から長距離大型無人機(Heron TP)の売却には慎重になっている
Yabhon United 40のサイト(在空120時間可能!)
→http://www.adcom-systems.com/ENG/UAV/YAHBON-United40/Overview.html
Yabhon United 40に関する報道(2013年11月)
●海外軍需産業と共同ベンチャーで輸出産業を育てようとしているUAEに、同国のAdcom Systemsがロシアに「Yabhon United 40」を2機売却との大きなニュースが飛び込んだ
●同社のチーフ設計者であるAli al Dhaheri氏によれば、同機は射程約35マイルの空対地ミサイル10発を搭載し、最大120時間連続哨戒飛行が可能とのこと
●ロシアの軍需産業関係者は、ロシア軍が有効な戦場偵察を行うとすれば、新たに100機程度の無人機と少なくとも少なくとも10個の誘導管制システムが必要になると述べている
●なお、UAEのAdcom Systems社は、北半球の10ヶ国以上と商談を行っており、更に南米への進出も進めている
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ロシアのプーチン政権は、昨年から空軍への大投資計画や戦略爆撃機計画を発表するなど、空軍強化の方針を次々と打ち出しています。今回の無人機計画はその一環と思われます。
勿論、巨大投資や戦略爆撃機計画が実現するのかは「?」な部分もありますが、何が重要で、何が必要かは判っているようです
しかし、120時間も連続哨戒飛行できる無人機に飛び回られたら、日本はどうするんでしょうか? すぐそこまで来ているような気がしますが・・・
ロシアの大風呂敷!?
「戦略爆撃機開発にGO」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「ロシアは超超音速爆撃機を?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-30
「本物かロシア空軍軍拡宣言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-15
米露国防関係は?
「米露国防相が初のテレビ会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-19-1