岡崎研究所の厳しいオバマ政権評価

okazakiH.jpg最近の岡崎研究所は、Wedgeサイトで連載している「世界潮流を読む 岡崎研究所論評集」で、繰り返しオバマ政権のアジア政策、特に対中国姿勢に極めて厳しい評価を与えています。
「政権のレーム・ダック化」、「定見のなさ」、「求めるのは無駄」、「内容のある発言は期待できなかった」等の表現が連日のように飛び交い、日米同盟重視で保守本流の岡崎研究所とは思えぬほどの明確な批判ぶりが続いています。
そのこころは、日米同盟は重要だから、諦めずに、政権以外の議会や言論界や世論や米軍に訴え、中国封じ込めに進むしかない・・・との悲壮な決意です。
経済指標に明るさが見え、何となく賑わいを取り戻しつつある今年の「年の瀬」ですが、全般情勢は益々厳しさを増しているようです
オバマ政権のレーム・ダック化
obama.jpg●10月31日付米WSJ紙の社説は、尖閣諸島は日本の領土ということで主権問題は解決しており、オバマ政権が尖閣諸島を日本の領土であると認めれば、中国が手を引く可能性は高くなる、と述べている。
しかし、この提案をオバマ政権と国務省が受け入れる可能性は少ない。米中協調が全く進展しない中でも、オバマ政権は中国の機嫌を損なわないことに必死で、クリントン元国務長官が始めた中国包囲網政策に戻る気はない模様。
●一方、米国にはオバマ政権だけではなく、議会、言論界、世論がある。また、軍もある。中国の脅威対応に現政権はレーム・ダック化して期待できないが、米国内に、日本にとって有利なコンセンサスが出来ればそれで良い。
議会や軍の有識者の中には、このWSJ社説の意見に賛同する人は多々居るはず。戦略家、評論家にも支持者は少なくない
オバマ不在でも封じ込め進展は可能
●現在中国内部で進行中の権力闘争で、毛沢東的とも言える左翼思想が、一部に牢固たる地位を占めつつある事が覗える。習近平が訴える「中国の夢」や「米中の新しい大国間関係」は、中国が冷戦的対立を辞さないことを示唆している。
そうならば、腹を括って、封じ込め政策をとる以外に選択肢は無い。オバマにそれを求めるのは無駄かもしれないが、軍や実務者間の協力は進展可能だし、米議会や世論に訴えることも重要。
オバマのアジア訪問は中止で良かった
習近平.jpg中国の対フィリピン援助の少なさが、中国のフィリピンに対する懲罰的な意味を持つとするならば、驚くべき狭量さという他ない。現時点では、強硬派の発言力が増していると見られる中国内で、フィリピンに甘くする政策をとるには危険を伴う状況であることも推測される
米軍の活動は、まさに、オバマのアジア歴訪中止を補って余りあるもの。オバマが東アジアサミットに出席していたとしても、中国に配慮して、内容のある発言をすることは期待できなかったので、オバマのアジア歴訪は、中止になって、かえって良かったというべき。
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オバマ政権には期待できないが、日米関係は重要なので、中国脅威への対処の重要性を議会、米軍、言論界(戦略家、評論家)、世論に訴えようとのご意見を最近多く拝見します。
まんぐーすのように陰から「ぶつぶつ」呟くのではなく、身体を張って、米国に出向いて、又は米国に根を張って頑張っておられる方を是非応援したいモノです
innovation.jpg東京財団のレポートにあったように策源地攻撃にしても、「自衛隊に具体的に付与する上での予算的、体制的制約は極めて大で、当分の間は現実的選択肢とはなりえない」ので、「日米共同を前提とした策源地攻撃態勢/体制の中における、より大きな自衛隊の任務分担と自衛隊の関与」を少しずつ進めるしかないのですから・・・
そのためには、脅威の最前線に立つ日本が、自ら軍事改革を推進する気概を持ち、米軍をリードして戦闘機削減や陸軍改革(削減を含む)を推進しなければ成りません
岡崎研究所関連の記事
「アジア政策と陸自削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09-2
「戦闘機命派の包囲網強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-17

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