ヘーゲル長官のペンタゴンOSD縮小計画

OSD-Cut.jpg4日、ヘーゲル国防長官が会見を行い、ペンタゴン勤務スタッフの2割削減に向けた具体的計画を明らかにしました。
ヘーゲル長官は、このスタッフ削減を統合参謀本部や主要軍司令部組織にも実施させ、よりフラットな組織を目指しているとこれまで発言してきましたが、具体的検討を前空軍長官であるドンリー氏に依頼していました。
理由は、空軍長官だったドンリー氏のみが、スタッフ削減に在任中しっかり取り組んでいたからです。
ヘーゲル長官は会見で、国防長官スタッフ(OSD:Office of the Secretary of Defense)の2割削減で、今後5年間で1000億円の経費削減効果があると語っています
現組織を十分承知していないので「中途半端」な説明になりますが、5日付Defense-News記事で概要をご紹介します。ちなみに、噂のあったネットアセスメント室ONAは、改編されますが生き残るようです
ヘーゲル長官の発表によれば・・・
OSD-Cut2.jpg●OSDの改編では、国防省高官の業務分担を再構成し、文民職員や契約職員を削減する。
●また政策担当国防次官の下部組織を大きく変更する。政策担当部局の次官補ポスト1個と次官補代理ポスト4つを廃止し、「政策担当者のワークロードを平準化してアジア太平洋や宇宙やサイバー分野を強化し、新たな脅威への対応にも組織を適応させる」
●Andrew Marshall氏が長年率い、戦略分析を担当してきたONA(Office of Net Assessment)は、長官直属から政策担当次官の下部組織と成る
●OSDには、2012年に約2700名が勤務していたが、現在は既に2400名規模に縮小しており、発表された計画では最終的に2200名以下に縮小される見込み
●情報部局では、中心的な役割ではない部署や事業は、4軍や国防省の他機関に機能を移管してスリム化を図る。また情報技術分野に関しては、CIO(Chief Information Officer)に移管する
●Deputy Chief Management Officerの役割を変更し、国防省の業務融合やコーディネイト促進、業務マネイジメントの問題に特化した指導力養成、業務状況監視や国防省の業務組織に関する責務にする。業務情報システムの担当をCIOに移管する
OSD-Cut3.jpgOSDや上級司令部サイズを縮小することで浮いた経費は、前線での戦闘能力や即応体制維持に投入できる。これら経費上の考慮だけでなく、組織を洗練させることにより、OSDをより機敏で反応の良い組織に変化させることが出来る
●より細部の取り組みは、来年2月に発表する2015年度予算案に含まれる。ただしこれは第一歩に過ぎない。予算の現実や戦略環境に対応するため、より困難だが必要な、福利厚生や医療費補助等のcompensation経費、戦力構成、調達等の選択に立ち向かわなければならない
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会見の細部はトランスクリプトで
(昨日のADIZ発言と同じ会見です)
→http://www.defense.gov/transcripts/transcript.aspx?transcriptid=5335
各軍種の中で、唯一ヘーゲル長官のスタッフ削減方針に「真摯かつ正面から取り組んだ」ドンリー氏に削減案検討をお願いした辺りに、国防省の高官や米軍指導者への「挑戦状」を「叩き付けた感」が漂っています
会見冒頭で臨時の副長官Fox女史の就任を紹介し、「しばらく現実から逃避していた彼女を連れ戻し、強制削減対処やQDRの仕上げに直ちに取り組む」との決意を示したヘーゲル長官でした。
「国防省No3も辞意表明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09
「ネットアセスメント室が存亡危機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-16
「military compensation」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-06

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