オスプレイ初輸出へ:イスラエルに6機

ADL.jpg10月31日夜、退役軍人の雇用促進等のためニューヨーク訪問中のヘーゲル国防長官は、イスラエルがV-22オスプレイを6機購入すると発表しました。
オスプレイは海兵隊と空軍特殊部隊で既に300機以上が使用されており、米海軍も含めると450機以上の調達が計画されています。しかし海外では、カナダがボーイングから2機提供を受けて試験使用しているものの、正式導入を決定した国は初めてだと思います
ヘーゲル長官がスピーチしたのは「Anti-Defamation League:ADL」との団体の定期総会で、Defamationとは直訳で「名誉毀損」との意味ですが、その筋では「反ユダヤ主義」を意味します。
ヘーゲル長官が就任前、過去のイスラエルに対する姿勢が「冷淡だ」として国防長官就任を反対する動きが激しかったことから、就任後は意識してイスラエルとの関係には気を使っているところです
1日付国防省web記事等によれば・・・
Osprey.jpg●ヘーゲル国防長官は、イスラエルの国防能力とその質的優位確保は米イスラエル両国の中心的利害であると述べ、イスラエルがオスプレイを6機購入することになったと発表した
●また国防長官は、イスラエル用の機体は次の製造単位でライン組み立てが行われ、イスラエル国防軍の戦力と一体となって能力向上に貢献する語り、イスラエルと米国の国防協力関係は更に強化されたと訴えた
●米関係者は、提供される機体はイスラエル国防軍の要求に応じた特別仕様だが、2年程度で提供できると述べた
●地域情勢について更に「我々は引き続き複雑で沸騰しやすい世界に直面している。米国とその同盟国が、前例の無い複雑な挑戦に直面している点で、中東ほど明らかな場所は無い」と描写した
イランについて長官は「テロのスポンサーであり、憎しみと過激思想を周辺地域に散布している。しかし外交政策はゼロサムゲームではない。もし平和的解決の糸口が見つかれば、我々はその道を切り開く」と語った
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イランとの交渉の道を探る米国政府の一員として、ユダヤ支援団体での言葉選びは慎重でした。
スピーチの後の夕食会では、恐らくユダヤ教の教えに沿った豚肉抜きの食事をしながら、周囲のユダヤ人から「イランは悪魔」説を聞かされたことでしょう
Ospreymv22AFGN.jpg未だに日本では、闇雲に「オスプレイ反対」を叫んでいる方がいらっしゃいますが、その筋では既に導入初期の問題はクリアーされ、その優れた飛行特性をいかに活用するかに関心が向いています。
米国ではホワイトハウスがスタッフ輸送用に既に使用開始し、カナダ、英国、サウジ、インド等が救難捜索機や早期警戒機としての用途で検討しています
また、米側に情報提供を求めたり、調査している国には、カタール、UAE、ブラジル、イタリア、豪州、コロンビア、シンガポールが含まれるようです
日本への導入是非は別として、米海兵隊や米空軍が日本国内で飛行させることについて問題視する時期は終わったと思います
オスプレイ関連の過去記事
「海外販売が好調の予感」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19
「ホワイトハウスも導入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-18

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