25日、Lockheed MartinとBoeingが共同発表を行い、米空軍の3大優先事業の一つである次期爆撃機に共同して取り組むことを明らかにしました。これで事実上、一歩リードしていると言われるNorthropと一騎打ちの構図が出来上がります
次期爆撃機構想に関しては、2008年に両社は一度肩を組みましたが、当時の重厚長大な爆撃機構想をゲーツ国防長官(当時)が白紙に戻したため、仕切りなおしになっていたところです。
ウェルシュ空軍参謀総長も繰り返し表明している米空軍の3大優先事業とは、「F-35」、「KC-46A」、「次期爆撃機」ですが、F-35がL社、KC-46はB社ですので、仮に爆撃機をL&B社で押さえれば、今後30年は我が世の春を謳歌できることになります
25日付Defense-News記事は・・・
●次期爆撃機について明らかになっていることはあまり無い。2020年代半ばに運用を開始できるステルス性を備えた機体で、100機程度の調達を予期して1機当たりの価格が550億円以下で、有人機タイプもオプションとして可能なものと想定されている。
●更に、開発や価格高騰のリスクを避けるため、既存の成熟技術を組み合わせることを念頭においている。A2AD環境を突破して敵目標を攻撃することを求められるが、単独で全てをこなすのではなく「family of system」で任務を達成する構想に基づく
●L社とB社の幹部は「両者のベストを持ち寄り、米空軍の優先事業をサポートできることを誇りに感じている。我々には、要求性能に合致した世界に冠たる優れた次世代爆撃機システムを、求められる期間と予算内で提供する自信がある」と語った
●また「成熟した技術と既存システムを融合することで、開発リスクを低減し、効率的でコスト妥当性のある開発と生産手法を我がチームは提供する」と自信の程を明らかにした。更に両社関係者は「2010年に一度中止になった計画の再開ではない。このプログラムはあれ以来大きく変化し進化している」と強調した
●B社は爆撃機の製造の経験を生かして主担当となり、L社は主にステルス技術等でこれを支える第一サポート企業の位置づけとなる。
●既にライバルのNorthrop社は活発に活動を開始しており、B-2爆撃機での経験をアピールしつつ、空軍協会総会でも建物の3階分に匹敵する大きなバナー広告を出すなど強い印象を与えている。
●航空専門家は、2社が協力するのは極めて自然な成り行きであり、これ以外は無く、N社の強力な競争相手となるとと見ている
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久々の次期爆撃機関連記事です。
記事は上記のほかに空軍関係者の発言として、「今後数年は大きな投資が必要な無いので、予算の強制削減の影響は当面あまり心配していない」との言葉を紹介しています
F-35がL社、KC-46はB社ですので、爆撃機はN社かな・・との極めて単純な推測をしてしまいます。N社はB-2とT-38以外に目ぼしい装備が見当たりません。最近は・・・
専門家の中には、確保できる予算規模も不明な中、企業が競争をしても意味がなく、国防省がリードして技術を結集しながら一つの形を完成させるべきだ、との意見があります。可能ならば
「次期爆撃機が生き残る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-23-1
「久々に次期爆撃機の話」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-17-1
「次期爆撃機に有人型は不要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1
「序論:長距離攻撃システム構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-25
「本論1:長距離攻撃システム構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26
「本論2:長距離攻撃システム構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26-1
「ロシアが新爆撃機開発へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「ロシアは超超音速爆撃機を?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-30
「ロシアが新爆撃機開発宣言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-16