3日、ヘーゲル&ケリー長官が、米国の閣僚として初めて千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れ、献花しました。
靖国神社を避けたことから、読売は「安倍総理に靖国参拝を控えよとのメッセージだ」との見方を報じています。
3日、外務省の飯倉公館で日米安全保障協議委員会(2+2)が開催され、共同発表が行われました。
既に「2+2」に関しては、記事「先読み:日米安全保障協議委員会2+2」でご紹介したところですが、共同発表に関し、要補足部分や気になったところを「つまみ食い」でご紹介します
防衛省webサイト関連リンク
→http://www.mod.go.jp/j/press/youjin/2013/10/03_2.html
米国防省web関連リンク
→http://www.defense.gov/home/features/2013/0913_hagel1/
●安倍総理のこだわり
読売によれば、「中国に対し・・急速に拡大する軍事面・・開放性及び透明性を向上させるよう引き続き促していく」の部分の、「急速に拡大する軍事面」は安倍総理の強い意向で、米国を押し切って入れ込んだ表現だとか
●日本が妥協した部分
読売によれば、「敵地攻撃能力」との言葉を日本側は入れたかったが、米側が「中国や韓国の反対を招く」として拒んだ
●ガイドライン見直し期限
米側は期限を切らない方向だったが、日本側の強い要望で「2014年末まで」との表現が
●那覇基地の自衛隊部隊を嘉手納に移設の件
明確な表現は見当たりません。「同盟の柔軟性及び強靱性を向上させ、日本の南西諸島を含む地域における自衛隊の態勢を強化するため、閣僚は、共同使用に関する作業部会の取組を歓迎」との表現ぐらい
●強靱性・抗たん性強化
「二国間の計画を精緻化するための取組・・・自衛隊及び米軍による日本国内の施設への緊急時のアクセスを改善することが含まれる」 代表例として、米軍や自衛隊の基地が被害を受けた際、日本の民間飛行場を使用できるような準備が想定されます
●宇宙関連の協力&サイバー関連
宇宙に関しては、「宇宙航空研究開発機構(JAXA)による宇宙状況監視情報の米国への提供の早期実現への両国のコミットメントを歓迎」との記述有り
サイバー関連では、「サイバー空間の安全で確実な利用に対する挑戦に対処するに当たり、民間部門と緊密に調整する必要があることを強調」との記述
●三カ国協力の強化
韓国と仲良くせよと釘を刺されました→「特に豪州及び韓国との間で定期的に実施されている三か国間の対話の成功に留意」、「三か国間協力の取組を一層拡大するため、作戦、計画、演習及び能力に関する情報を含め、地域の同盟国の間での情報共有の強化を」
●グアム・北マリアナへの日本の資金提供
「グアム及び北マリアナ諸島連邦における訓練場の整備に対する日本の資金提供の重要性に留意」 この表現は、海兵隊のグアム移転関連でもありますが、もっと重要なのは、中国の攻撃を受けた際の米軍の代替活動基盤確保のための資金提供との意味でしょう。
●日本への「高度な能力」提供の言質
「2014年春から、米空軍の無人機グローバル・ホークのローテーションによる展開を開始」、「米海兵隊F-35Bの米国外における初の前方配備となる、2017年の同機種の配備の開始」
RQ-4は三沢? F-35Bは岩国でしょう
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日本での主要日程が終了した3日夕刻、ヘーゲル国防長官の誕生日(10月4日)のお祝いが、米国関係者間でささやかに行われたようです。
ケリー国務長官からケーキを手渡されるへーゲル長官の様子です
両長官とも、米予算不成立の件で来日中も本国とのやりとりで大変だったようです。これからも大変でしょうが・・
ケリー国務長官は2+2共同会見で「共通の利益と価値に根付いている日米関係は、過去最高の状態にある」と語ったようですが、「負担の分担又は移譲」の観点でそのような状態との認識なのでしょうか?
4日、ヘーゲル長官は横須賀停泊中の米艦艇ステザムを訪問、後に横田基地を訪れた模様です。横田では自衛隊の「Air Defense Command 」を訪問したようです(↑写真上↑)
先読み:日米安全保障協議委員会
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-29