「3日間の攻撃を計画しているが、攻撃延長にも対応できる」
8日付Defense-Newsが、8日付のLos Angeles Times記事を引用しつつ、作戦計画に関与している「匿名の国防相関係者の話」として、シリア作戦の概要と検討状況を報じています。
オバマ大統領は今後、米国時間9日夜に6つのTV局でシリア問題に関するインタビューに対応し、10日火曜日には国民向けの演説を行い、その後予期される米議会上院での採決に臨む模様ですが、匿名関係者のメディアへの情報提供が、意図したモノかどうかは不明です
8日付Defense-NewsはLos Angeles Timesを引用し
●国防関係者は「攻撃の規模や目的はここ数週間変化無いが、必要に応じ修正することは可能である。シリア政府が攻撃に備えて対応しても、継続的に目標対象を再検討して対応可能である」と述べた
●更に関係者は「攻撃計画はあくまでもオバマ大統領の示した方針や目的に沿ったモノである」と強調した
●また「攻撃は、まず多量のミサイルによる同時攻撃によって開始され、初動の攻撃で効果がなかった目標にはその後直ちに追加攻撃が行われる」模様である
●2名の国防関係者はまた「ホワイトハウスからは、当初リストアップした50目標を拡大した場合の追加目標リストも要求されている」と語っている。これは更なる攻撃用アセットを確保する動きとも繋がる可能性がある
●デンプシー統合参謀本部議長も先週議会で証言し、「初度目標リストと2次的な目標リストがある」と語っている。また同議長は、シリアが攻撃されそうな装備品等を分散したとしても、攻撃計画を変更して対応すると述べている
●LAT紙は、地中海配備の5隻のミサイル駆逐艦に加え、作戦計画者が空軍爆撃機が遠方から巡航ミサイルや空対地ミサイルを発射するオプションも検討中であると報じている
●また、紅海に所在するニミッツ空母群と3隻のミサイル駆逐艦も、ミサイルによるシリア攻撃は可能である。計画に関与する関係者は「ミサイルによる数派の一斉攻撃と戦果確認が必要だが、72時間以内に実施できるだろう」と見ている。
●大統領は、絞られた航空機による爆弾投下攻撃を含む限定的な攻撃を望んでいるとLAT紙は伝えている
●関係者は、計画中の作戦は数日間に及ぶ「show of force」攻撃で、シリア政府が優勢を保っている地上の状況を根本的に変えるモノではなく、戦いはあと2年は続く可能性があると語っている。
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なぜシリア攻撃が必要かについては、米政府から「化学兵器の使用を見逃してはいけない。イランや北朝鮮に誤ったシグナルを与える」等々の説明がなされており、その通りだとも思います。
一方でホワイトハウスの本音の部分として、ここで何もしなかったら、米国の孤立主義を懸念する世界中からの声を、益々大きくする恐れがあるとの懸念があると思います
アジアリバランスも、中東和平推進も、「シリアで何もしなかったじゃないか」と言われる恐れが大統領の胸中を駆け巡っているように感じます。
又はもしかして・・・「戦いはあと2年は続く可能性がある」から、シリア政府も反政府側も両方殴り合って弱体化してくれ・・と考えているかも・・・
「化学兵器無効化のための兵器」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-31
「米空軍トップがシリア作戦の不安を」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-29