「a subtle but strong message to China」
8月20日付インド紙HINDUによれば、同日、インド空軍が保有する最新鋭のC-130J型輸送機が、中国との国境紛争地帯に程近い、標高5000m以上に位置するヒマラヤの仮設飛行場(Daulat Beg Oldie:DBO)への着陸に成功。同クラス本格輸送機の高高度着陸記録を更新しました(過去の記録は不明です)
飛行場近傍の係争国境地域では、今年4月にも中国兵約50名の進入・拠点設置事案が発生し、3週間にわたる銃撃戦にまで至っていた問題の場所です。
同飛行場は、国境警備を厳しい環境下で行うインド軍兵士の輸送拠点として期待されており、この高地着陸成功を同紙は「a subtle but strong message to China」と表現してその意義を讃えています。
インド紙HINDUの記事によれば
●8月20日の朝6時54分、インド空軍のC-130J Super Hercules1機が高度16614フィート(5065m)に位置するDaulat Beg Oldie仮設飛行場に着陸した。偶然だが、同機のクルーは、先日の洪水対処で活躍したクルーと同じだった
●インド空軍は声明を発し「インド空軍は強化された空輸能力により、この高地かつ生活困難な地域で、空輸に大きく依存しながら拠点を死守している地上部隊の要望により良く対応できるだろう」と述べている
●この特殊作戦飛行部隊は、部隊の緊急展開や物資投下を全天候下で実施でき、舗装が不十分なDBOのような仮設飛行場でも着陸可能である
●DBO仮設飛行場は、1965年のパキスタン紛争の際に使用されて以来放置されてきたが、2008年により小型のAntonov-32輸送機を運用するために、43年ぶりにインド空軍と陸軍により再整備されていた。
////////////////////////////////////////////////////
インド空軍は、推力をアップした最新C-130Jを2011年に米国から6機だけ購入し、配備されたばかりでした。
2010年にゲーツ長官が訪印した際、そんな話がまとまっていましたが、何でC-130Jを6機だけかと当時は疑問に思ったものでした。しかしヒマラヤで活躍とは・・・
ちなみに、2012年7月にカーター副長官が訪印の際、追加で更に6機のC-130購入が発表されています
大国インドは、米国やその同盟国の思惑通りなかなか動いてくれない国ですが、C-130J部隊には是非がんばっていただきたいものです!!!
米印軍事関係の記録
「太平洋軍がインド対応特別チームを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16
「12年7月に6機追加決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-24
「2012年6月の訪印」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-06
「2011年米印軍事交流の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-27
「2010年1月の訪印」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-20