韓国空軍がF-4戦闘機の後継機選定作業(60機を購入予定)を実施中で、F-35、F-15 Silent Eagle、Typhoonの3機種を対象に評価を行っているとお伝えして来ました。
そして7月中旬には、各企業からの提案が総経費等の面で基準に適合しない等から再度提案を募り、最終決定を秋まで延期する状況に至っているとお伝えしたところです。
「おまけ競争?韓国F-X選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-14
そんな中、18日から、F-35は総経費オーバーで門前払いされ、F-15 Silent EagleとTyphoonの2機種の争いになり、最終的にはF-15 Silent Eagleに決定しそうだとの情報が世界を駆け巡っています。
F-15を提案したボーイング社は「なんら正式な知らせを受け取っていない」とコメントしたようですが、韓国で選定を担当する部署関係者の情報とのことで気になるのでご紹介します。
18日付韓国Yonhap電子版は
●韓国の「国防調達計画局筋」は18日、韓国空軍の新戦闘機選定(約7200億円)で争っていたF-15 Silent EagleとTyphoonの内、EADS社のTyhoonが提出書類の不具合のため脱落したと語った
●同情報筋は「不適格と判断した以外の1社の提案について今後精査する」と語り、「不的確と判断した文書」の具体的な不具合については言及しなかった
●国防大臣が主催する選定委員会は、9月中旬に最終決定を行うための委員会を開催する予定である
●機種選定は、先週、韓国側が提示していた価格以下の提案を行った2機種(F-15とTyphoon)に絞り込まれていた。F-35のLockheed Martin社は、韓国側の提示価格を超過する価格を提出した模様
19日付DODBuzz記事は本件に関し
●F-15のボーイング社報道官はe-mailで「韓国側から機種選定に関するなんら正式な知らせを受け取っていない」と質問に答え、「選定に関する知らせを待っている段階である。引き続き韓国の要望に応えるべく、緊密に連携して仕事を主なって行く」と述べるにとどまった
●19日付のロイターは、ボーイング報道官が「ボーイングは、卓越した能力を持ち、低リスクで価格競争力が高いSilent Eagleを納期までに提供する提案している。また併せて、包括的なオフセット提案で全ての韓国F-X優先事項に応え、既に韓国で確立している韓国軍需産業との関係の上に発展する計画である」とe-mailで応えた、と報じている
●F-15 Silent Eagleには、ステルス性コーティングやレーダ視認性を低下させる措置が施され、内部兵器搭載のため燃料タンクを再設計する等の提案が含まれている
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韓国は既にボーイングのF-15K・Slam Eagleを運用しており、韓国内に米空軍嘉手納基地の米軍F-15の定期修理や整備まで引き受け可能な工場まで立ち上げています。
「卓越した能力を持ち、低リスクで価格競争力が高いSilent Eagleを納期までに提供」とのボーイング報道官の言葉に嘘偽りはありません! サウジやシンガポールでもF-15シリーズは最新鋭機が運用されており、米空軍内でもF-15の改良はしばらく続くでしょう
F-15Eもまだまだ運用されますから、部品調達面でも将来的にも「低リスクで価格競争力が高い」のがF-15 Silent Eagleです。
最終発表まで分かりませんが、価格も性能も先の見えない「亡国のF-35」を除外した韓国国防省は「あっぱれ」です。
「嘉手納F-15の整備は韓国で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-05
「亡国のF-35」関連の最新記事15本
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1