小野寺・ヘーゲル記者会見の概要

HagelJPDM1.jpg29日、米国を訪問中の小野寺防衛大臣が、日米国防相会談を終えた直後に共同記者会見を行いました。
諸外国の国防大臣が訪米した際は当たり前の光景ですが、民主党政権下ではついぞ見かけなかった「ツーショット会見@米国」です。(森本前大臣もなかったような・・・)
既に報道されている内容もありますが、「defense ISR working group」の設置、夏にオスプレイ2個目の部隊配備、Xバンドレーダー、ガイドライン見直しには2~3年必要等の話を含めご紹介します
なお、普天間関連はパス、また米記者質問の半分以上を占める「シリア化学兵器と情勢」関連質問もパスします。シリアに関しては、以下の過去記事から変化なしです
「もっと情報を:シリア化学兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-23-2
まずヘーゲル長官は髪乱れ気味で
hagelJpDM3.jpg日米同盟が地域安全保障の「cornerstone」であることを再確認し、広範に全ての分野を話し合った。北朝鮮、尖閣を含む海上安全保障、更に21世紀の脅威に対応する体制と能力に関する協力について等である。
●焦点は国防問題だが、米国のリバランスに伴い、日米はTPPの例にあるように経済・外交分野でも大きく進展している
●北朝鮮が最も明白な脅威だが、本日2台目のXバンドレーダー(TPY-2)日本展開に計画に進展があった。これは北朝鮮ミサイルから両国を守るものである
●東シナ海での摩擦に関し、平和的・協力的に両国により解決されるべきであり、今日は米国が尖閣の主権に関しどちらの側にもつかないことを再確認し、しかし同時に日本の施政下にあり安保条約の範囲内である点も確認した
●日米のスタッフはガイドライン見直しに資する「roles, missions and capabilities」レビューを行っており、その一部として本日、「defense ISR working group」の設置を発表した。米軍再編についても再確認した
●また、オスプレイの2番目の飛行隊を本夏に配備することを確認した。
小野寺大臣は若干緊張気味に
hagelJpDM2.jpg北朝鮮情勢に関しては、日米間の緊密な協力継続と日米韓の3カ国の協力を再確認した
「defense ISR working group」の設置や、両国の平時における警戒監視活動の協力進展を歓迎する
●オスプレイに関しては、12機を2番目の飛行隊として、本夏に岩国経由で普天間に配備する。
へーゲル国防長官を本年中に日本にご招待した。日本では「2+2会合」を今年の適当な時期に開催する
●(質問に対し、)我々は、私は北朝鮮に対する警戒や監視レベルを低下させても良いと判断できるような情報に接していない
●(質問に対し、)ガイドラインのレビューには2~3年必要だろう。
(ヘーゲル長官も同意と回答、更に当地域のシーレーン確保、安全保障と安定確保がレビューの焦点であると発言。具体的な進行例として、今日申し上げたXバンドレーダー、オスプレイ、海兵隊の再編等だと補足)
会見トランスクリプト
→http://www.defense.gov/transcripts/transcript.aspx?transcriptid=5230
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日本側が宣伝している「尖閣で踏む込んだ発言を引き出した」との見方は要注意です。
元外務次官・藪中氏の指摘(http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-31)
                         ↓         ↓         ↓
Yabu6.jpg米国は一貫してこの2つのポジションを持っている。領土問題は当事者間との立場の一方で、日米安保条約では沖縄の施政権を返還した際に尖閣が明示されているので、尖閣は範囲内と言わざるを得ない
●(質疑応答場面で・・)米国の持っている応答要領はかなり大ざっぱで、何が影響するかというと世界と米と中と日本の関係、国際的に見た見方、その辺が出てくる。
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その他、ねちっこく分析すると、北朝鮮関連で日本の大臣が「日米韓3カ国の協力を再確認」と言ったのは初めてでは??? 日韓関係の冷え込みに釘を刺されたのかもしれません
「衝撃:韓国と協力せよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-28
「defense ISR working group」を設置して、具体的に何を日本に期待するのでしょうか? 日本での「2+2会合」までにどこまで煮詰まるか・・。
不満なのはF-35に関する言及がないことです。納入時期や価格や「技術移転」(日本企業の参画度合い)に関し、しっかり確認し議論したのでしょうか?
「戦闘機の呪縛から離脱せよ!」
→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16

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