最近は、日本のメディアが「亡国のF-35」をよくフォローしてくださるので大変助かります。
14日付産経webは、米軍の2014年度予算案をよく吟味し、F-35の価格が189億円と計上されている事を明らかにしています。
そして更に、米軍の2014年度要求価格が、日本の2012年度要求で調達決定した4機の価格(予算は102億円)に当たる事を指摘し、189-102=87億円の差額をどうするのか、と問いただしています。
ワシントン支局の佐々木類氏によれば
●米国防省が予算計上した米空軍が調達するF-35Aは計19機で約3564億円。1機当たり約189億円となる。
●カナダやオーストラリアなど同盟国が軒並み、調達の白紙化や見送りを決めている中、日本政府は日本の会計年度で2012年度に1機102億円で計4機、2013年度は1機約150億円で2機調達する方針だ
●最初に調達する4機のF-35Aは、米国の2014会計年度で計上された機体に該当するため、1機当たりの価格は約189億円。
●日本が2013年度予算で1機約150億円を計上した価格は、米国の2015会計年度に計上される機体に該当するため、さらに高騰する可能性がある。
●武器輸出3原則の足かせははずしたものの、価格高騰と開発の遅れで財源問題と防空網に穴が空きかねない懸念は払拭できず
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今後もF-35の価格高騰は続くと見るのが自然ですが、毎年予算額と実際購入価格に差が生じると、限られた防衛費の中で他の装備品経費を削減せざるを得ず、ますます「戦闘機の意味無き神格化」が進むことになります。
ちなみに、日本用は仕様が異なるので米軍価格と同じではないとのご指摘もありましょうが、開発費をシェアしていない日本が米空軍より低価格で入手できるとは到底思えません
戦闘機の呪縛から離脱せよ!
→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
日本の置かれた安全保障環境を考える時、特に近年の軍事脅威の変化を考える時、戦闘機の重要性が「ウナギ下がり」であり、根拠無く自衛隊内で神格化され維持されている「戦闘機数と戦闘機飛行隊数」の削減が急務であるとしばしば訴えてきました。
しかし、細切れに吐き捨てるような独り言で、まんぐーす自身も欲求不満がたまるばかりでした。そこで今回は深呼吸し、少しまとめて大きな声で叫びたいと思い、舌足らずな部分もありますがとりあえず整理してみました。
以下では、日本で戦闘機に投資することが如何に非効率で無駄か、如何に日本の抑止力向上に貢献していないか、そして如何に航空自衛隊や日本の国防全体を歪めているかについて考えるスタート台を提供したいと思います。中身の概要は「目次」を参考にしてください。
目 次
1 戦闘機の運用基盤は脆弱で高コスト
2 戦闘機単体での能力発揮は不可能
3 脅威の変化により脆弱性が増大
4 空虚な航空自衛隊の戦闘機重視論
5 現状でも戦闘機の能力発揮は困難
6 戦闘機数死守が生んだ「思考能力の壊死」
7 放置された人材育成
8 日米関係を言い訳にするな
9 当面何をすべきか:議論の活発化が鍵
10 最後にもう一度
是非、兄弟ブログ「輪になって踊らず」掲載の本文もご覧下さい
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「戦闘機の呪縛から離脱せよ!」
→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16