シリア:激化するサイバー最先端の戦い

cyberwar2.jpgシリア内戦は、種々雑多な反政府組織が主にゲリラ戦的アプローチでシリア政府軍側を徐々に追い込み、その実態は普段着のままの反政府組織の若者が銃を片手に・・・と言ったイメージですが、必ずしもそれだけけではなさそうです
18日付Defense-Newsは、シリア政府側と反政府側が近年稀に見る活発なサイバー戦を繰り広げている、と報じています
専門用語に自信がないのですが、ご紹介に挑戦です
記事「激化するシリアでのサイバー戦」より
政府側では自称SEA(Syrian Electronic Army)が、反政府側を追跡したり、関係者の特定に関わっている
反政府側は緩やかに連携して複数組織が活動しており、有名なハッカーグループ「Anonymous」も関係している
cyber01.jpgシリア政府側は、2012年当初から対反乱組織対策にサイバー兵器を使用し始めている。特に反政府側が連絡手段の秘匿化を始めてからの作戦が巧妙であった
●誰が具体的に実行したかは不明だが、反政府側に改造された「Skype」ソフトを送り込み、これによって反政府側のwebカメラ映像やタイピング情報(パスワードを含む)を特定のアドレスに送信させるよう仕向けると同時に、ウイルスソフト機能をマヒさせた模様である
●反政府側活動家は匿名を条件に、改造「Skype」(DarkComet)により活動家の個人情報が盗まれ、活動家が逮捕・拷問を受けていると語った
●専門家によると、これら政府側のウイルスはシリア製ではなく、ロシアか欧州人によって作成されたものをシリア政府支持者かSEAが購入や盗んだものと言われている。
●別の専門家は、シリア政府はイランの支援を受けており、政府支持組織はイラン製のサイバー兵器を使っていると主張している。具体的に、SEAが使用しているSQL解読ツールはイラン製だと言っている。Anonymousも使用しているようだが
米海軍大学の関係者もイランがシリア政権をサイバー兵器で支援しているのは明らかだと述べ、イランが国内治安対策で活動家を逮捕した時の技術だと説明している
cyberStuxnet.jpg反政府側はこれに対し、代替の知られていないサーバーや古典的なネットによらない手段で通信している。また「anonymizing techniques」を用いて政府側の攻撃を逃れている
●逃れるだけでなく、攻撃にも反政府側は積極的である。国防省や在外公館の政府側webサイト書き換えや運用停止をAnonymousによって行われたり、シリアの銀行が被害を受けたりしている。
昨年11月末には、2日間にわたりシリア国内のインターネットが中断した。国家単位でインターネットアクセスが遮断された前例はなく、世界を震撼させた
●政府側はテロ攻撃だと非難したが、ネットの専門家の中にはシリア政府自身が意図的に接続をカットしたと見ている者もいる
双方の応酬は続いており、海外専門家は政府側が送り込んだと思われる2つの新しい反政府活動家追跡ウイルスを12月に2つ見つけたと主張している
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cyberwarrior.jpg相手が見えいないサイバーの世界では、正確にWhoを特定することは困難と思われ、上記の記事も推測を多分に含んでいると思われます。
それにしても、追い詰められているシリア政府でも治安機関の強い国家ですからこれだけのことが可能なわけです
中国はどんな手段をサイバーオプションとして保有しているのでしょうか?
戦闘機命派の日本の元将軍が、戦闘機による「航空優勢」さえ確保しておけば、経済重視の中国は日本に本格的軍事行動はできないと「宣言」しているようです。
しかし・・サイバー・電子妨害・宇宙作戦など攻撃元が特定しにくい手段で、米国の関与を困難にしつつ、戦闘機による「航空優勢」を逆転することが簡単であることをよく理解すべきでしょう
「閉鎖ネットワークにウイルスを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18
「サイバー演習場開設!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-25

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