誤デジタル地図で米艦艇が世界遺産に突っ込む

GuardianUSS.jpg17日、佐世保所属の米海軍掃海艇Guardianが、世界遺産に指定されているフィリピンのSulu SeaにあるTubbataha Reefで座礁しました。
その原因が、米国家地理空間情報局(NGA:National Geospatial-Intelligence Agency)が軍等用に作成したデジタル地図(DNC:Digital Nautical Charts)の誤りである可能性が高く、18日に米海軍はDNCを使用する際は紙の地図と併用しながら注意するようにとの指示を出しています。
NGA.jpgNGAが海軍に提供しているデジタル地図は2種類あるようですが、そのうち「coastal」版が誤っており、事故現場では8マイルの誤差があったようです。
事故は17日午前2時過ぎに発生し、スービック湾からインドネシアに向かう航海の途中でした。乗員79名は18日に船を離れ他の米艦艇に収容されいます
当該掃海艇が見捨てられたわけではなく、米第7艦隊の関係艦艇やフィリピン沿岸警備隊のサルベージ船が現場で対応に当たっています。ハワイから現場に向かっているサルベージ船の到着は、来週後半になるようです。
現時点で油の流出等は無いようですが、現場の天候や潮の流れが複雑で、世界遺産であることから環境への配慮もあり、救出は容易ではなさそうです
米海軍の海図航海責任者Jonathan White少将は・・
Tubbataha Reef.jpg●掃海艇座礁の原因が、DNCの誤りであったのかどうかは不明。他の要因も含めて調査中である。
●現時点でNGAは他の地図の誤りを確認していないが、海軍部隊が誤りを見つけた際は直ちに報告するよう指示している
衛星写真を地図に変換する過程で誤りが生じた模様で、NGAは30日までに全てのDNCを再確認する予定である。それまでSulu Sea周辺での使用を禁止する
米掃海部隊と掃海艇Guardianとは・・・
米海軍は14隻の掃海艇を保有しているが、日本の佐世保に4隻を配備しており、そのうちの1隻。他に4隻はバーレーン、2隻は掃海部隊の根拠地であるサンディエゴに所在
●1987年から1994年に就航した掃海艇部隊の1隻で、最近のイランとの緊張の高まりから注目が集まり、その装備が旧式である点が問題となった。装備近代化や改修が計画されているが、その実施が遅れている
艇長は2011年10月から任務についているMark Rice海軍少佐
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USS Guardian.jpg世界に冠たる米海軍が、掃海艇を14隻しか保有していないとは・・・。海上自衛隊でも母艦や管制艦等を含めると30隻を保有しているのに。
やはり、敵の攻撃を受けない「聖域」での運用に慣れっこになっているからでしょうか??
海図の件は何事にも誤りは有り得るわけで、大事に至らないよう祈るばかりです
NGAは「largely secret organization」な組織で、データが同盟国に提供されていのか不明ですが、わが国への影響が無いことを祈るばかりです。
まさか中国に地図が書き換えられていた・・・なんてことが無いように、とも祈るばかりです。

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