尖閣諸島をめぐる日中の対立関連で、軍事衝突に至った場合を想定したシミュレーション結果や日本の軍事評論家コメントが日本のマスコミで盛んに報道された件について、「脅威の変化」を理解していないのでは??? との視点で先日以下のコメント記事を書かせていただきました
「脅威の変化を語らせて」
→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08
しかし私が熱くなってチマチマつぶやくまでもなく、中国国防部(国防省)が親切に同様の指摘をしてくれているので、情けない話ですが貴重な証拠なのでご紹介します。
いずれも「日中が尖閣諸島で局地的な海戦を行ったら日本側が圧倒的勝利を収める、というシミュレーション結果に中国国防省が反発している」という趣旨の報道の一部ですが、中国軍事脅威の実態を「当事者」が語っています
26日、国防省国際伝播局の孟彦副局長は・・
(人民日報の海外版に寄稿した記事で・・)
●これは日本の一方的な希望事項で、中国の軍事専門家の多くは笑っている。現代の典型的な『机上の空論』
●シミュレーションと実戦は異なる次元のもの。日本は中国のミサイルの脅威を考慮しないのだろうか。局地戦が発生して両国の艦艇や戦闘機が出動する前に、中国側がミサイルで先制攻撃するかもしれないのに
中国軍事科学学会の羅援副秘書長(少将)
●愚かな人間が夢を語っているようだ。局地戦が発生したら、中国は海軍だけでなく空軍、第2砲兵(戦略ミサイル司令部)が立体的な作戦を展開し、勝利を得るだろう
24日、人民網の中国軍事専門家・・・
●一笑に付した。日本の勝手な思い込みであり、まさしく現代版「畳の上の水練」である。少し常識のある人間なら、実践と模擬戦には大きな開きがあることを知っている。
●本当に中日間で海戦がぼっ発するとして、日本は中国のミサイルの威力を考慮に入れているのだろうか。
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中国軍人や官僚と同じ土俵に立って尖閣問題を議論するつもりはサラサラありませんが、軍事的な点に関する「中国の軍事専門家の多くは笑っている」、「少し常識のある人間なら・・」との中国からの指摘に、日本のマスコミや俗にいう日本の軍事評論家は反論できないと思います。
中国軍が考えている「彼らの強み」はどこにあるのか・・・そんなことを相手から指摘されているようでは、議論や実戦以前の段階で「戦わずして負け」です。
しつこいですが、以下の過去記事をもう一度ご覧いただき、「脅威の変化」を確認して頂きたく存じます
「脅威の変化を語らせて」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08
「艦艇にも搭載準備DH-10」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-08
追 伸
最近は朝日新聞にも教えていただいてます
27日付電子版→(日米共同訓練で陸自が取り組む上陸作戦や島奪取作戦は)現実味に乏しく、防衛省内にも疑問の声がある。
海空重視の姿勢が鮮明になりつつある対中国作戦の状況を見た日米両国の地上部隊が、存在意義を示して「組織防衛」するため、「でっち上げた場面設定」を行っているような気がしてなりません・・個人的に