史上初めて着艦フックを艦艇上のワイヤーに引っ掛けて着陸に成功したのは、1911年1月18日の事だそうです。
米艦ペンシルバニア上にCurtiss pusher機で着艦に成功した操縦者は、「簡単だよ、10回やったら9回は成功すると思う」と取材陣に答えたそうです
それから100年以上が経過しましたが、F-35の海軍空母用であるC型は「10回やって成功3回」の成績らしいです
24日付「Defense Tech」によれば・・・
●F-35C型の着艦テスト(フックにワイヤーを引っ掛ける試験)を、熟練した操縦者によって10回実施した。しかし3回しかフックをワイヤーにかけることが出来なかった
●どうやら原因は、F-35Cのメインのギア車輪からフックまでの距離が僅か11フィートしかなく、他の空母艦載機に比して10フィート以上短いことにあるようだ
●他の機種では着艦時にギア車輪が空母のワイヤーを通過することで跳ね上げ、機体のフックに引っ掛かりやすくなるのが通常だが、F-35Cの状況を映像で確認してみると、車輪からフックまでの距離が短く十分に跳ね上がる時間が確保できていないことが見て取れた
●そこで技術者は、元々機体から少し浮かして設置してある空母ワイヤーを、更に少し持ち上げて解決しようと考えた。
●しかし海軍側は、他の機種への影響やワイヤーを持ち上げる艦艇の改修に否定的で、問題解決がとん挫している
●技術者たちは、フックの形状をより「鋭く」して問題を解決したように考えているようだが・・・
●我々はここに、なぜF-35の試験が長引き、部隊配備が遅れているのかを説明する更なるデータを発見することになった。
●どんなに先進のシュミレーション技術でも、総重量500ポンド以上の海軍システムコマンド研究者達の頭脳を持ってしても、実施にやってみなければ分からないことが、この世にはまだまだ残っているのである
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フックの問題は「appears to have solved」との表現になっていますが、F-35の現時点での問題を扱う報道には、兵站管理システムやHMD(操縦者ヘルメット)、更に兵器管制システムのソフトウェアと並んで今でも必ず登場します
また、あくまでも「現時点」での問題であって、今後本格的な飛行試験が進む中で何が出てくるか誰も予測できませんが・・・
「F-35企業との関係は最悪」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-18-1
「F-35で苦悩:デンマーク」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-07
「カナダ検査院国防省批判」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-04
「米会計検査院のF-35批判」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-21
「脅威の変化を語らせて」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08
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