麻薬や覚せい剤が米国社会の大きな問題であり、それら「くすり」が中南米の組織から大規模に密輸されていることを耳にされた方も多いでしょう
トムクランシーの小説で映画にもなりましたし、米国の南米戦略の力点はそれら組織の弱体化と密輸防止にあるといっても過言ではありません
しかし本日ご紹介する米国防省web記事は、その最前線の一つが中国であり、国防省がFBIや米行政機関と協力しつつ「対Drug」戦略を推進する3つの組織(JIATF)の内、一つがアジアを主対象として活動している様子を伝えています
8月2日付の国防省web記事は・・・
●JIATF West(Joint Interagency Task Force West)の責任者である沿岸警備隊レンドン少将は、アジアから米大陸に流入する覚せい剤の原料物質が一番の懸念である、と語った
●米国に流入する覚せい剤メタンフェタミン(methamphetamine)、一般には“meth,” “glass” or “tik.”と呼ばれる物質の8割はメキシコを通じて米国に流入するが、メキシコの工場へ運ばれる原材料物質はしばしば中国からのものである
●JIATFは、米国政府の他機関や地域の協力国と協力し、麻薬や覚せい剤の流通を阻止する組織である
●JIATF Westはアジア太平洋地域を担当するが、他の2つ、JIATF Southは南部コマンド担当地域(中南米)のコカインの流通を担当し、JIATF Northは南西国境(メキシコ国境か?)での麻薬や国際犯罪流入阻止を担当している
●国防省機関は逮捕など法執行行為はできないが、麻薬の流通や輸送状況に関する情報収集分析とその共有で貢献している
●例えば、JIATF Westが米機関や関係協力国に上記情報を提供することで、「もの」が空港や港に到着した時点で関係国や法執行機関が確保することが出来る
●(JIATF Westが本格的に活動を開始した)2010年以降、JIATF Westは約1500立方mの原料物質捕獲に貢献している。今年だけでも、既に200トンのメタンフェタミンになり得る原材料の流通を阻止している
●またJIATF Westは、地域のパートナー国が海上警察行動や沿岸警備能力を構築する際の支援に重点を置いている。これには関係国要員の教育訓練からインフラ整備の支援にまで及んでいる
●例えば最近では、地域の米国大使館を通じ、インドネシアやタイが法執行教育訓練センターを設置する支援を行っている。
●レンドン少将は「中国との協力関係を構築することが一つの目標である。覚せい剤は健康・衛生・安全保障に否定的な影響を与えるすべての国に共通な課題だからである」と述べた。
●この仕事は米国の国益にかなうことは勿論、地域の安定と安全にも密接にかかわっている重要な仕事である
///////////////////////////////////////
中国はこんなところでも国際社会に迷惑をかけていたんですねぇ・・・
勿論、麻薬や覚せい剤が蔓延する「隙」を生み出す社会自体の問題も大きく、米国にも大いに考えてもらう必要があるのでしょうが・・・。
しかし米軍人は何でもやらされてるんですね。
Twitterもよろしく→https://twitter.com/Mongoose2011
「脅威の変化を語らせて」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08