18日午前中、在北京のパネッタ長官は梁光烈・国防相と会談を行い、その後両名揃って記者会見に臨みました。
以下は全て米国防省webサイトの記事からご紹介ですが、記事は「会見で両者は、両国軍事関係の進展と成長の余地があることを認識したと記者たちに語った」と表現しています
パネッタ長官は会見で・・・
●梁国防相に対し、2014年のRIMPAC海洋演習に中国艦艇を招待する旨を伝えた。PIMPAC演習は隔年で米太平洋海軍が行う世界最大の多国籍演習で、今年は24カ国が参加した。
●17日、アデン湾周辺で米海軍艦艇と中国海軍艦艇が初めて2国間の海賊対処訓練を実施した。この前向きな勢いで中国がRIMPAC2014に参加してくれることを希望する
●両国が平和維持活動交流(peacekeeping exchanges)の立ち上げについて議論した。米国側はこの交流を通じ、中国のキプロスや西サハラでPKOを主導した経験を学びたい
●両国の協力が盛んになるにつれ、両国にとって同意できない部分があることを認識することが重要である。
●米国は尖閣諸島又はDiaoyu Islandsに関し日中間で衝突があること等、東アジアや南シナ海の海洋安全保障の課題を懸念している。関係国が対話のチャネルを維持し、平和的に問題を解決することを促した
●この状況がエスカレートすることが誰の利益にもならず、平和と安定を損なうことを今週継続的にメッセージとして伝えている
●梁国防相には、米国がサイバー空間の問題について中国と軍レベルの対話を行いたいと改めてお願いした
記事は梁光烈・国防相の発言を・・・
●パネッタ長官の訪問を中国政府は重要視している(placed great value)。長官との会談は、率直で、実務的で、建設的な雰囲気の中で行われた。
●今日の会談では、2国間の軍事関係について、国際的視点と周辺情勢等から意見交換を行い、いくつかの分野で共通認識を得た
●両国は確固たる安定的な両国関係が、両国と両国民、更に全世界にとって極めて重要である点で一致した
●両国防相は、両国関係を大きな視点でとらえ、新たな軍事関係を対等、相互利益、win-win協力に基づいて発展させなけれなならない点で合意した
●梁光烈・国防相は、台湾への武器売却問題、米国のアジア太平洋地域でのリバランス、中国周辺海域での領土紛争、サイバー、宇宙について、意思疎通により疑念を減らし信頼を構築することが出来ると述べた
●パネッタ長官は、徐才厚:中央軍事委員会副委員長、戴秉国:外交のトップと会談、陸軍の装甲施設学校を訪問して講演、北方艦隊司令官との会談と部隊研修を行う。
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尖閣問題については、厳しいやり取りの状況が既に多数報道されているのでそちらをご覧下さい。
尖閣問題に引っ張られ、アデン湾での初の共同海賊対処訓練やRIMPACへの招待が霞んでしまったようです。平和維持活動交流については、話題にしただけで具体的な話には至ってない模様です。
全般には「停滞」だったのかもしれません。
「パネッタ長官シャングリラ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-25
「米中国防相会談」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-08
「パネッタ長官のアジアツアー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-22
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