米空軍が16日発表したところによると、F-22がユタ州の演習場で新型小口径滑空爆弾(SDB, Small Diameter Bomb)シリーズの1つであるGBU-39の実戦的訓練を集中的に行い、本格運用が可能であることを証明した模様です。これまではテストパイロットのみが経験していたとのこと。
8月6日から16日まで行われたCombat Hammer演習には、アラスカのエレメンドルフ空軍基地からのF-22が主に参加していますが、ハワイの第199および第19戦闘飛行隊からも初めてパイロットと整備員が参加し、新ソフトウェアを組み込んだ機体を用い、GBU-39の集中訓練を行いました。
参加した少佐は「ユタ州の演習場が、F-22の飛行速度や高度からして、唯一GBU-39が訓練できる場所だ」と説明しています。
このSDB:GBU-39とはどんな爆弾?
●このGBU-39爆弾は、精密誘導装置を備えて滑空する小直径爆弾(SDB, Small Diameter Bomb)シリーズの1つである。小直径爆弾は、小型で爆発力が小さく破壊力は限定的だが、精密誘導が可能なように開発製造されている。
●米軍は、コソボ紛争で空爆に使用した爆弾の破壊力が過大すぎ、都市部の周辺民間人に被害を与えて非難された教訓から、破壊力の小さな精密誘導爆弾の開発を2001年から開始した。この先見性は当たり、GBU-39は2006年10月にイラク戦争で初めて実戦投入された。
●推進装置は持たないが投下時の高度をエネルギーとして投下後に展開する翼で目標までの距離を滑空し突入・破壊する「滑空爆弾」である。
●爆弾自身が誘導装置を備えて長距離を滑空できるため、発射母機は攻撃目標から距離を置いた安全圏から爆弾を投下することが可能である。なおGBU-39の最大射程は60nm(110km)
●このシリーズは小型化で発射母機1機あたりの搭載数を増加し、特にF-22の機内爆弾槽に収めるために全長も短くされて、AIM-120ミサイルの半分程度の長さになった。
●長さ:約1.8m 横幅:19 cm 重量: 285ポンド(約130kg) 弾頭: 206ポンド
●貫通能力 6フィートの鉄筋コンクリートを貫通可能。また、3フィートの鋼鉄補強コンクリートを貫通可能
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F-22特有の高高度・高速飛行状態からの投下により、GBU-38の滑空性能が最大限に発揮され、最大射程60nm(110km)での発射が可能なのかもしれません。
ハワイのF-22の仮想目標は・・・?。 破壊力は程々なので、いろいろ想像いたしましょう。
投下後、折りたたまれた翼が開いて「とびうお」のように飛翔するようです。
しかしF-22は重心が低く、胴体下での爆弾搭載作業は腰を痛めそうですね・・・