長距離ステルスミサイル最終試験へ

JASSM-ER 2.jpg米空軍は7日、A2AD環境対処の目玉兵器の一つである長距離ステルスミサイルの射程延伸型が、8月30日に最終段階の試験を迎えると発表しました。
このミサイルはJASSM-ER(統合空対地長射程ミサイル射程延伸型:Joint Air-to-Surface Standoff Missile-Extended Range)と呼ばれ、自立航法の精密誘導ミサイルです。
中国のように高度な防空システムを構築しつつある相手の重要目標に対し、遠方から発見されにくい精密誘導兵器を固定・移動の目標に打ち込む能力獲得を目指す兵器です。
ER型の前身であるJASSMが射程360km程度であるのに対し、ER型はその2.5倍の射程約900kmを持ち、第一列島線から中国沿岸地域を攻撃可能です。
JASSM-ERを米空軍発表でお勉強
JASSM.jpg●従来型に新型エンジンを搭載し、かつ燃料タンクを拡大して射程を向上した
自立航法装置とGPS誘導装置と赤外線センサーを装備し、たとえ強烈なGPS妨害を受けても、ミサイル搭載のセンサーと自立航法装置により精密攻撃が可能
B-1爆撃機が当面発射母機として期待されており、8月30日の試験もDyess空軍基地所属のB-1爆撃機で行われる。部隊での運用開始は来年後半を予期している
B-1爆撃機はJASSM-ERを24発搭載でき、今後搭載に向け準備を進めるB-52の2倍の搭載が可能である
B-52の他にも、今後B-2, F-15 and F-16にも搭載できるように試験等を行う予定であるが、当面はB-1のみが発射母機となる模様
●試験を行うB-1部隊の大尉は「中東から太平洋地域へ我々の焦点が移る中、強固に防御された同地域でB-1とコンビを組むJASSM-ERは、作戦指揮官にとっての重要選択肢となろう」と誇らしく語った。
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JASSMの従来型は、B-52、B-2, F-15 and F-16にも搭載可能です。
B-1.jpg低空を音速で侵入可能なB-1爆撃機は、旧ソ連の防空網を突破して核を含む攻撃を行うコンセプトを持って開発されましたが、イラクやアフガンでは低空を高速で飛行して「音」や「衝撃波」で相手を威圧する役割も担いました
そして今B-1は、A2AD対処のミサイル母機として、次期爆撃機(LRS-B)やMALD(電子妨害デコイ)、無人ステルス艦載機、EA-18G電子戦機、バージニア級攻撃原潜、水中無人艇、移動機雷、サイバー兵器や対衛星兵器、CPGS(通常即時世界攻撃)兵器等とともに、「family of system」の一つとしてA2AD環境に立ち向かいます。
そういえばF-35はすき間で防空や攻撃をするのでしょうか?。なぜ日本はF-35に投資をしているのでしょうねぇ・・・
「1/2米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28
「2/2米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-1
「CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「概要海空軍トップのASB論文」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-19
「AEIが対中国軍事戦略を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-01

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