30日付「DOEBuzz」によれば、次期空軍参謀総長人事について承認権限を持つ上院議員が27日に異議を唱え、現参謀総長の退役が8月12日に迫る中、空軍が難しい対応を迫られているようです。
異議を唱えているのは、首謀者のテキサス選出のCornyn上院議員と同調者のオクラホマ選出のCoburn上院議員で、その理由は候補者ウェルシュ大将個人に関するものではなく、地元テキサス州のラックランド空軍基地で大きな問題となっている「性的暴力:sexual assaults」事件への対応です。
同空軍基地は新兵の初度訓練基地となっていますが、その新兵教育機関に入隊してくる女性新兵に対し、多数の教官がその地位を利用して「性的暴力」を行った事実が大きな問題となっています。
●少なくとも38名の女性が「被害者」として名乗り出ており、教官の一人は既に懲役20年の刑に服している。
●空軍少将が調査チームのトップとなり調査を継続しているが、既に35名の教官が配置換えとなっており、この内6名は既に「襲撃」の罪が確定している
本件に関しウェルシュ大将は議会証言で
●嫌悪を感じるスキャンダルであり、空軍は犯罪防止に失敗した。我々のこれまでの(性的襲撃防止の)取り組みは機能しなかった。
●何もしてこなかったわけではなく、皆が、如何にしてこれを食い止めるかについて取り組んでいる。
●しかし事実として我々は防止できなかった。この犯罪の発生傾向を変えられなかった
Cornyn上院議員は本件について
●本件に関する空軍の更なる取り組みが必要である。特にラックランド基地の事案は深刻である
●私は、米空軍がラックランド基地で発生した受け入れがたい事案に空軍が真摯に向き合い、二度とこのようなことが起こらないよう空軍が教育プログラムの改編等を行い、適切な処置が執られたと感じるまで、ウェルシュ大将を承認しない。
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Cornyn上院議員は過去にも、ロシア企業がシリアへ武器供給を行なわないよう国防省が圧力をかけるべきとの理由で、直接関係のない陸軍参謀本部の兵站部長の承認に待ったかけた「前科」がある御仁です。
これは全くの推測ですが、このような難癖を付け、裏で別の案件を持ち出して地元へ利益誘導しているのでは・・・と勘ぐってしまいます。
早く承認して問題解決に着手させた方が物事が進むと考えるのは私だけでしょうか・・・
しかし・・・ラックランド基地の「sexual assault」事案はひどすぎます。恐らく、イラクやアフガンで余り使い物にならない兵士や士官が、教官に配置されているのではないでしょうか?
組織とはそんなモノです。問題ある人はそんなところに集積されるものです。
ちなみに、新兵教育を含む米空軍の教育訓練を統括するコマンド司令官は、以前在日米軍司令官だった黒人のライス大将です。
米軍驚愕の実態「性的暴力」
「5人に一人が被害者!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-10
「米空軍に一点のシミ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19