8日、海軍の研究開発を司るONR(Office of Naval Research)のレ-ザー兵器開発責任者(Peter Morrison)がプレス発表を行い、同兵器が「技術デモ段階からプロトタイプ兵器開発段階に進む時が来た」と述べました。
米海軍は、約3年前からBAE Systemsやボーイングと共同で研究を進めてきており、具体的には艦艇防御防空用のレーザー照準機関砲MK-38システムに「solid-state lasers」を連動させ、艦艇に接近する航空機や小型船舶への対処能力を高める構想です。
なお機関砲MK-38(写真左下)は、開発当初は手動照準(Mk 38)でしたが、その後円形のレーザー照準装置を導入して精度を改良(Mk 38 Mod 2)、そして今回照準だけでなく攻撃手段としてレーザーを組み込むことに成ったわけです
昨年7月BAEとBoeingが共同発表し
●2011年3月、BAEはMK 38システムとレーザー兵器を結びつける契約を(海軍から)頂き、このたびBoeing社とチームを組むことに決定した
●このレーザー兵器モジュールの追加は、無人機や小型ボートなどに対する高精度照準兵器の付加をもたらし、更に目標や任務に応じた従来とは異なる能力をレーザーエネルギーから得ることを可能にする。
●BAEとBoeingは、既に2年間にわたり本分野で協力関係にあり、2010年には空中及び水中目標への高精度の追尾能力を実験2回で実証している
8日のONR発表では・・・
●我々は、solid-state lasersと共に更に前進し、技術デモ段階からプロトタイプ兵器開発段階に進む時が来たと信じている。
●ONRは5月16日に軍需産業への説明会を開催する。この説明会で(プロトタイプ兵器開発)計画についての情報を産業関係者に提供する
(注:つまり説明を聞いた業者は、「私の会社にこの部分をやらせて下さい」との提案が可能になる)
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最近とみにビーム兵器やレーザー兵器の話題が多くなってきました。
これも各種ミサイル技術拡散や小型ボートと言った「新たな脅威」に対処しようとする自然な流れです。何が脅威か、脅威の質や中身に変化はないかについて、常に地動説ではなく天動説に基づき、真摯に分析して対応を考えることが国防の原点でしょう
公開されているリンク映像等を見ても、迫力に欠ける・・印象はぬぐえませんが、一歩前進なのでしょう。
これを忘れて組織防衛や●●●命になると、国防に関わる人間は一瞬にして隠れた「国賊」になれます
「CSBAビーム兵器へ投資を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-20
「レーザー兵器の開発動向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-01