独の北朝鮮ミサイル専門家が、北朝鮮が15日の金日成主席生誕100周年軍事パレードで披露した長距離弾道ミサイル6基は本物ではなく、実物大の模型だとする分析結果を自身所属の研究機関のサイト(armscontrolwonk.com)で公表したようです。
この弾道ミサイルについては別の専門家らも、北朝鮮がICBMを開発していながらも偽物の模型を公開したのか、実際のミサイルを持たない状態でパレード用に模型を作ったのかは分からないとしながらも、現在としては後者の可能性が高いと分析しているようです。
Schmucker Technologieという独研究所のシラー博士とシュマッカー博士(Markus Schiller and Robert H. Schmucker)は、「つまらない見世物:北朝鮮の新大陸間弾道ミサイル」と題した4月18日付のレポートで「北朝鮮が公開したミサイルが、2010年に公開したムスダンの模型を改良した実物大模型だということには、疑いの余地がない」と断言しているようです。
欧米の専門家らが「KN-08」と命名した新ミサイル報告書は、技術的に見て6つの点(本体関連3点、弾頭関連3点、)からミサイルが粗悪な模型だと指摘しているようです。
24日付Defense-News と 聯合ニュースは
●この移動式ミサイルは、通常大きさやデザインから固体燃料を使用する。だが、ミサイルには液体燃料用のバルブを示す丸い表示がある。固体燃料を使うはずのミサイルに液体燃料の注入口があるのは矛盾である。
●また、移動式発射台にミサイルを固定するボルトは、一般的にミサイルの内側に連結されているが、北朝鮮のミサイルでは外側にあり、発射台とミサイルが安定的に固定されていない。また、ミサイル6基の電線用ダクトの位置が少しずつ異なっているのも不審。
●更に移動式ミサイル発射台に関する疑問。16輪の発射台付き車両に搭載されていたが、これは北朝鮮がかつて公開したムスダンの発射台付き車両(10~12輪)などと大きく異なる。また、車輪の数を考えると、車両の重量だけでも122トンに達するとみられ、40トン未満のミサイルを搭載するには不相応。
●弾頭部分に関する疑問。表面が滑らかでなく波打ったようになっているのは、何重にも重ねた木のフレームを薄い金属板で覆っているためとみられる。空気抵抗があるため、本物の弾頭なら表面はもっと水平になっているはずだ。
●また、核兵器を搭載する場合、弾頭は重力や温度、コントロールメカニズムなどを考え、非常に精密に製造しなければならないため、デザインを変えないのが一般的だ。だが、ミサイル6基の弾頭はデザインや形がそれぞれ違うだけでなく、過去の北朝鮮の「スカッド」「KN-02」「ノドン」「テポドン」「ムスダン」ミサイルとも異なっている。
●その他、ミサイルから弾頭が分離される線が見えないことも疑問。
以上の6点から、一見すると射程距離1万キロ程度のミサイルに見えるが、よく見ると模型に過ぎないことが分かり、北朝鮮が使用可能なICBMを保有しているという証拠はない。
北朝鮮が実戦配備可能なICBMを保有するには、数年の月日と数多くの実験が必要になるが、北朝鮮の劣悪な財政状況を考えると、発射試験は容易に実現できない。
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「不釣り合いな」と分析された16輪の発射台付き車両は、中国の国有企業「中国航天科技集団」が開発した特殊車両「WS51200」を基にしたとの疑惑を受けているようです。
中国に聞けば色々分かるかも知れませんね・・・。
しかし北朝鮮の軍事パレードの人の行進・・・あれだけの人数であれだけ統一した行進をする技術は「驚嘆」「素晴らしい」の一言です。この部分だけは「嘘偽りのない」本物です。
恐らく、参加者の3~5割ぐらいはヒザを痛めるのではないかと心配になりますが・・・
「中国がNKに介入しても!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-28