テニアンは米軍の代替基地

teniann3.jpg18日の時事通信によれば・・・
政府は18日、北マリアナ諸島の米自治領テニアンに自衛隊を駐留させ、米軍との共同訓練や演習を行う方向で検討。
●朝鮮半島情勢の緊迫化や海洋進出を進める中国の動きを念頭に、南西諸島の防衛強化が目的。今月下旬に発表する予定の在日米軍再編見直しの中間報告に盛り込む方向
テニアンは、米太平洋軍の主要拠点であるグアムに近い。現在、陸上自衛隊が年1回、米海兵隊とサンディエゴで共同訓練を行っている。
●テニアンに拠点を持てば、南西諸島防衛に共同対処する米第3海兵遠征軍(沖縄県うるま市)との訓練が可能になる。
●駐留に伴い、日本側はテニアンにある米軍基地・施設の整備費を一部負担することも検討する。
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この報道には注意が必要です!!!
teniann2.jpg●「南西諸島の防衛強化が目的」は誤解を与える表現で、本来の狙いを隠す狙いが
—米軍はアジア太平洋方面で、「地理的に分散し、作戦面で強靱で、政治的に維持可能な」体制を目指しています。特に中国の弾道ミサイル等の脅威を避けるため、「地理的に分散」の観点からグアムへの一極集中を避け、グアム以外のマリアナ諸島内での分散用基地整備を狙っていました。
—この流れでテニアンに基地基盤を整備するため、日本に資金を提供させるのが目的と見るべきでしょう。
●中国の動きを念頭に南西諸島の防衛強化が目的???→全く嘘ではないでしょうが、その意味合いは非常に間接的で、米軍のための代替基地建設が中心です。
●陸自が海兵隊とサンディエゴで訓練?→全く関係なし。米西海岸より近くで訓練できるとの利点を持ち出すため
●沖縄の米第3海兵遠征軍との訓練が可能に??→訓練移転に見せかけ、在日米軍再編見直しの中間報告に盛り込み、日本側の負担を正当化するため
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teniann.jpgCSBAがまずそのレポートで、グアムの脆弱性と強靱性強化の必要性を訴えました。
これを受けるように、シュワルツ空軍参謀総長米軍幹部はこれまで、テニアンを海兵隊の訓練基地分散や空軍用代替基地と考えていると発言し、関連報道もその施策をフォローしていたところです。「突然の」日本関与発表は、明らかに後付の「資金調達目的」でしょう。
「下院でグアム基地強化策を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12
「報道:グアム関連強靱性強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-04
「太平洋軍のAir-Sea Battle検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-05
「CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
teniann4.jpg米軍の基盤強化に役立てば我が国の安全保障にも役立つでしょうが、正面から議論できない現状が日本の安全保障議論の「患部」です。
勿論、米国も中国への配慮から、グアムの施設強化(滑走路、格納庫、弾薬庫、通信施設、燃料施設)を公式には、最大規模の台風とマグニチュード7の地震に耐える施設の準備・・と言い訳しながらやっているのですが・・。またAir-Sea Battleコンセプトも公表できない状況ですが・・
米国では公式発言はなくても議論する場があります。しかし日本には議論の場もありません。これでは人材が育ちません。「脅威の変化」を純粋に見つめ、専守防衛や戦闘機命や組織防衛命の体制から早く脱却しなければ・・と思う次第です
「米と豪が被害想定演習を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-02
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1

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