16日、海軍トップのグリーナート海軍作戦部長(CNO:海軍大将)が軍事記者団に対し、世界的に緊要なチョークポイントであるホルムズ海峡の安定通峡を確保するため、必要な能力を追加配備すると語りました。
グリーナート大将は昨年9月に現職就任以来、中央軍司令官であるマッテス陸軍大将から戦力の増強を要望されていた模様で、その後の現地視察や意見聴取の結果を踏まえ、「場を整えるため」今回の増強決定に至ったのこと。
同大将はイラン軍の状況を、「脅威となる動きはないが、警戒を強めている状況にある」と語っています
「ホルムズ海峡緊迫!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-25
増強の中身に「派手さ」はありませんが、微妙な地域情勢を見据え、かつ予算状況を見ながらの判断でしょう。下記の増強は年内には完了するとのこと・・・。
海軍トップ言及の増強の中身は・・
●機雷戦アセットの倍増
—掃海艇を現4隻から8隻体制へ
—掃海ヘリCH-53 Sea Stallionを4機増強
—水中無人機雷掃海ユニットの増加(同大将は、非常に有効で、英海軍も使用できると)
●短射程機銃の強化
—Mark 38 Gatling gunsによる近距離防御手段の強化
—湾岸に現在5隻保有の警備艇(全長60m)に短距離ミサイルが搭載されているが、これにMark 38を搭載し能力を向上
—米国内の警備艇5隻と沿岸警備隊から返還の3隻を改修してMark 38を搭載し、将来的には湾岸に10隻配備
●通峡支援機材の充実
—赤外線や光学暗視能力の付加。当地を通峡する全ての艦艇が同様の装備を備え、乗員が使用に習熟していること
●現地部隊の稼働率アップ
—交換用スペア部品や整備支援、民間委託業者の能力向上
///////////////////////////////////////////
実務的に必要な措置だとは思いますが、海軍トップが記者団を集めて説明するほどの中身では無いような気がします・・・
対イラン政策も、軍事的には手詰まり感が漂ってきたように思います。口先介入にもそろそろ慣れっこに・・・
「イラン核施設完全破壊困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-02
「対イラン:イスラエルの動向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-12
「パネッタ:イラン攻撃は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-05